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“女子高生×殺し屋”のギャップにハマる!『ベイビーわるきゅーれ』衝撃アクション徹底レビュー

映画『ベイビーわるきゅーれ』基本データ

  • タイトル:『ベイビーわるきゅーれ』
  • 公開年:2021年
  • 監督:阪元裕吾
  • 主演(登場人物)
    • 髙石あかり(ちさと役)
    • 伊澤彩織(まひろ役)
    • 本宮泰風(浜岡一平役)
    • 秋谷百音(浜岡ひまり役) など
  • 上映時間:95分
  • 主な評価・映画祭出品
    • インディーズ映画ながら海外でも高評価の作品
  • 視聴方法:各種配信プラットフォーム(Amazon Prime Video、U-NEXT ほか)やDVD・Blu-rayで配信・発売中

この記事でわかること

  • 女子高生×殺し屋という異色設定の魅力
  • “インディーズ感”あふれる荒削りな作風&アニメ的要素
  • 脱力系の日常とシリアスなバイオレンスがもたらすブラックユーモア
  • クライマックスに待ち受ける圧巻のアクション
  • キャスト・監督の飛躍と続編情報

はじめに

こんにちは。当ブログ「ねことシネマ」にお越しいただきありがとうございます。今回ご紹介するのは、映画『ベイビーわるきゅーれ』です。ちょうど今月、3作目にあたる『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』のBD発売に合わせ、一作目のBDも同時に再販されると知り、迷わず予約しました。先日やっと手元に届いたので、さっそく観直してみたところ、そのアクションの迫力に改めて圧倒されました。

私自身、映像はできるだけ高画質・高音質で楽しみたいタイプ。パナソニックのBDレコーダー「DMR-ZR1」を愛用していることもあり、気に入った作品は必ずパッケージで手元に置いておきたいんです。数あるアクション映画の中でも、『ベイビーわるきゅーれ』は低予算インディーズとは思えないほどの迫力があり、「ここまでできるのか!」という本気度が詰まった一本だと感じます。

入手困難だったBDがやっとこの手に!

あらすじ

社会不適合者な殺し屋の少女たちが、社会になじむため奮闘する姿を描いた異色青春映画。高校卒業を目前に控えた女子高生殺し屋2人組のちさととまひろ。組織に委託された人殺し以外、何もしてこなかった彼女たちは、高校を卒業したらオモテの顔として社会人をしなければならない現実を前に、途方に暮れていた。2人は組織からルームシェアを命じられ、コミュ障のまひろは、バイトもそつなくこなすちさとに嫉妬し、2人の仲も徐々に険悪となっていった。殺し屋の仕事は相変わらず忙しく、ヤクザから恨みを買ったことから面倒なことに巻き込まれてしまい……。

全編に漂う“インディーズ感”とアニメ的な要素

本作には全体を通して“インディーズ映画感”が漂います。2作目や3作目、ドラマ版などと比べると、撮り方や演者の演技にやや荒削りな部分が残り、そこが独特の味わいになっているんです。
さらに設定そのものが「女子高生(卒業直後)の二人が殺し屋をやっている」という、マンガやアニメ的な匂いを強く感じさせます。私自身、昔はアニメオタクでしたが今ではあまり受け付けなくなりつつあり、最初は「このノリついていけるかな」と少し不安もありました。しかし、実際には彼女たちが見せる“ゆるい日常”と“プロの殺し技”のギャップにハマってしまい、最後にはすっかり魅了されていたんです。

(C)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会

ギャップ萌えが最高な“脱力系”日常

前半のだらっとした会話や、家賃・公共料金を滞納しかけるほど世間知らずな二人の姿を見ると、「こんな調子で本当に殺し屋?」とツッコミを入れたくなります。でもこの“脱力系”の日常こそ、後半のバイオレンスシーンとのコントラストを際立たせるカギ。
まひろはコミュ力が低くバイトの面接に落ちまくり、ちさとはなんとなくアルバイトをこなせそうに見えながら、結局ズレた行動でトラブルを招くなど、社会不適合っぷりが微笑ましい。そんな二人がいざ武器を手にするときの表情や動きのキレが凄まじく、その“落差”がたまらなく痛快なんです。あえて荒削りにも見える演出が、彼女たちの等身大感を際立たせているように思います。

メイド喫茶シーンのスリルと痛快さ

本作で私が特に好きなのは、ちさとがメイド喫茶でアルバイトするシーンです。
一見ほのぼのした“萌え空間”ですが、そこにヤクザ親子が踏み込んでくることで一気に空気が変わります。観客は「彼女が凄腕の殺し屋」だと知っているからこそ、「はやくちさと、何とかして!」とハラハラ。
その緊張感がグッと高まったところで、ちさとの“スイッチ”が入る瞬間は本当に痛快です。メイド服×銃というアニメ的な組み合わせと、ヤクザ相手に何食わぬ顔で対処する彼女の姿が妙にマッチしていて、「ジャパニメーションだなぁ」と思わず唸ってしまう。さらに、観客だけが全てを知っているという構図もスリリングで、ヤクザたちが彼女の正体に気づいていない間のドキドキ感はたまりません。結果的に店は大惨事ですが、ちさとは「またバイトクビだ……」とボヤくという脱力系オチまでついてくる。
シリアスな暴力とコミカルな間合いが同居するシーンの完成度は、本作の見せ場のひとつ。まるで漫画やアニメの世界がリアル化したような“快感”を味わえます。

(C)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会

クライマックスの圧巻アクション

後半の怒涛のバイオレンスシーン、とくにまひろ(伊澤彩織)の格闘パートは圧巻の一言。実際にスタントパフォーマー経験をもつ伊澤さんのスピード感ある動きは、体格差のあるヤクザをバッタバッタとなぎ倒していく説得力を生み出しています。
「本当に日本の低予算インディーズ映画?」と思うほど迫力があって、華麗さと生々しさを両立。血が飛び散るバイオレンスを描きながらも、思わず笑ってしまうようなブラックユーモアを差し込む演出も巧みです。日常系アニメのようなゆるさによる前半の“溜め”が、このクライマックスを何倍も盛り上げてくれるわけですね。

広がるキャスト・監督の可能性

主演の髙石あかりさんは2025年度後期のNHK朝ドラ『ばけばけ』でヒロインに大抜擢。伊澤彩織さんは『ジョン・ウィック:コンセクエンス』』などハリウッド作品でもスタントを務めるなど、大きな飛躍を見せています。
そして監督の阪元裕吾さんも、続編『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』や第3作の『ナイスデイズ』が作られるほど注目される存在に。もともとはインディーズ感たっぷりの作風ですが、本作で見せた豊かなアイデアとアクション演出の実績が、海外でも「日本映画離れした迫力」として評価されているようです。

まとめ

初見だと「女子高生の殺し屋コンビ」なんてアニメみたいで、どこか違和感があるかもしれません。しかし見終わる頃には、その脱力系の日常とバイオレンスアクションのギャップがくせになること間違いなし。
配信サービスでも手軽に観られますが、映像や音声クオリティにこだわる方にはBDをおすすめします。私はこのあと、特典のオーディオコメンタリーを聴いてみようかなと。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。当ブログ「ねことシネマ」では、これからも映画のレビューや感想を更新していきますので、ぜひコメントでご意見をお聞かせください。気になる作品があれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。

外部リンク

  • IMDb『Baby Walkure』
    キャストやスタッフの詳しい情報、ユーザーからの評価やレビューなどが充実しています。英語サイトですが、作品の撮影秘話やTrivia(トリビア)も多く、さらに深く知りたい方にはおすすめです。
  • この記事を書いた人

HAL8000

映画と猫をこよなく愛するブロガー。 多いときは年間300本以上の映画を観ていて、ジャンル問わず洋画・邦画・アニメ・ドキュメンタリーまで幅広く楽しんでいます。 専門的な批評はできませんが、ゆるっとした感想を気ままに書くスタンス。 ブリティッシュショートヘア×ミヌエットの愛猫ハルも自慢したいポイントで、レビューの合間に猫写真や日常もたまに紹介しています。 当ブログ「ねことシネマ」で、映画好き&猫好きの皆さんに楽しんでいただけると嬉しいです。ぜひお気軽にコメントやリクエストをどうぞ!

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