英語学習

『塔の上のラプンツェル』の名曲「I See the Light」を一緒に歌解き!~英語の歌詞に隠された魔法と、見つけた私の「輝く未来」~

こんにちは!当ブログ『ねことシネマ』にお越しいただき、ありがとうございます。

さて、突然ですが、皆さんは映画館で「3D映画」を最後に観たのはいつですか? 私が『塔の上のラプンツェル』を映画館で観たのは、まさに3D映画が盛り上がっていた頃。あの『アバター』や『アリス・イン・ワンダーランド』の映像美に世界中が驚き、映画の新しい可能性にワクワクした時代でした。『塔の上のラプンツェル』も、美しいランタンが目の前に迫ってくる3D映像に、息をのんだのを鮮明に覚えています。最近は少し3D上映が減ってしまったような気がして、個人的にはちょっぴり寂しいのですが…。

先日、東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」で、「ラプンツェルのランタンフェスティバル」のアトラクションに乗る機会がありました。実は一度目は「うーん、こんなものか…」と少し辛口評価だった私(笑)。でも、夕暮れ時に50分待ちだったので、「Qライン(待ち列の装飾)もじっくり見たいし!」ともう一度乗ってみたんです。そしたら……クライマックスで「輝く未来」(原題: "I See the Light")が流れる中、目の前に広がる無数のランタンの光景は、圧巻の一言で、胸がいっぱいになりました。やっぱり、この曲の力はすごい!そして、この体験が、今回この曲を皆さんと一緒に深掘りしたいと思った直接のきっかけなんです。

ディズニー映画って、『白雪姫』の「いつか王子様が」や90年代黄金期の『アラジン』「ホール・ニュー・ワールド」など、数々の名曲がありますよね。一時期、「もう名作は出尽くしたかな…?」なんて思っていた時期もあったのですが、『塔の上のラプンツェル』は、ディズニー初の長編3DCGアニメーションとして、見事にその流れを変えた作品だと感じています。音楽も、巨匠アラン・メンケン氏の「これぞディズニー!」という安心感と新しさが融合していて。特に「輝く未来」は、映画のテーマを見事に歌い上げた、本当に美しい一曲です。

ちなみに、原題は『Tangled』(「絡まった」という意味)なんですよね。前作の2Dアニメ『プリンセスと魔法のキス』が、タイトルが少し子供向けすぎたことで興行的に苦戦した反省から、より幅広い層にアピールする抽象的な単語になったとか。結果的に大ヒットしたわけですから、面白いですよね。日本だと『アナと雪の女王』(原題: 『Frozen』)のように、説明的な邦題が好まれる傾向がある気がしますが、これも文化の違いでしょうか。

前置きが長くなってしまいましたが、この記事では、私自身の個人的な感想や解釈もたっぷり交えながら、この「I See the Light」の英語の歌詞の魅力を、皆さんと一緒にライトに、でも深く探っていきたいと思います。日本語訳も素敵ですが、オリジナルの英語の歌詞には、もっとおしゃれで、味わい深い表現がたくさん隠されているんですよ。ぜひ最後までお付き合いいただき、この曲の新たな魅力に一緒に気づいていただけたら嬉しいです!

楽曲「I See the Light」の世界へ:二人の心がほどける瞬間

この「I See the Light」は、ラプンツェルとフリン・ライダー(ユージーン)が、長年の夢だったランタンを間近で見る感動的なシーンで歌われます。ただ美しいだけでなく、二人がお互いの存在によって新しい自分を見つけ、過去の「見えなかった」状態から「光を見る」=真実を理解する、という心の変化が、それぞれの視点から見事に描かれているんです。

構成としては、

  1. ラプンツェルのパート: 塔の中しか知らなかった彼女が、外の世界と自分の本当の気持ちに気づく。
  2. フリンのパート: 自分のことしか考えていなかった彼が、ラプンツェルを通して本当に大切なものを見つける。
  3. 二人のデュエット(サビ): 新しい世界の輝きと、お互いへの感謝の気持ちが重なり合う。 という流れになっています。「光」は、夜空を彩るランタンの光であると同時に、真実、愛、希望、新しい人生の幕開けを象徴しているんですね。

それでは、一緒に歌詞を紐解いていきましょう!


ラプンツェルの視点:閉ざされた過去から、輝く現在へ

まずはラプンツェルのパートから。彼女の長年の孤独と、ついに訪れた開眼の瞬間が胸を打ちます。


All those days Watching from the windows All those years Outside looking in All that time Never even knowing Just how blind I've been

過去の「窓辺」と「無知」

  • "All those days / Watching from the windows" 「来る日も来る日も/窓から(外を)眺めていた」 ここでの "Watching from the windows" は、実は分詞構文という形。「私が窓から眺めている間」という意味合いが、ぎゅっと凝縮されています。なんだか詩的で素敵ですよね。ラプンツェルが塔の窓から、外の世界をただ見つめることしかできなかった日々が目に浮かびます。 「私も分詞構文は最初は『むむ、難しい…』と戸惑ったのですが、慣れると文章がリズミカルになる魔法のスパイスみたいに感じます!」
  • "All those years / Outside looking in" 「来る年も来る年も/輪の外から中を覗き込むように」 これも分詞構文ですね! "looking in" は「中を覗く」という意味ですが、ここでは物理的にだけでなく、「(人々の楽しそうな輪や社会の)外側にいて、中に入りたいけど入れない」という疎外感や憧れが感じられます。「わかるわかる!」と共感してしまう方もいるのではないでしょうか。
  • "All that time / Never even knowing / Just how blind I've been" 「その間ずっと/知ることさえなかった/自分がどれほど盲目だったのかを」 ここでも "Never even knowing" は分詞構文で、「全く知らずに」という強い否定が込められています。そして、"Just how blind I've been" は「私がどれほど盲目だったか」という間接疑問文。"I've been" と現在完了形になっているのは、「(その時まで)ずっと盲目だった」という状態が続いていて、今まさにその事実に気づいた!というニュアンスなんです。 ここの "blind" は、文字通り目が見えないのではなく、比喩的に「物事の真実が見えていない」「無知な」という意味。ゴーテルに真実を隠されてきたラプンツェルの状況そのものですね。

この冒頭部分だけで、ラプンツェルの孤独と、知らなかったことへの衝撃がひしひしと伝わってきます。

新しい世界の「光」と「確信」

そして、場面は一転。夢にまで見たランタンの光に包まれて、彼女の世界は変わります。


Now I'm here Blinking in the starlight Now I'm here Suddenly I see Standing here It's all so clear I'm where I'm meant to be

  • "Now I'm here / Blinking in the starlight" 「今、私はここにいる/星明かり(のようなランタンの光)に目をしばたたかせながら」 "Blinking in the starlight" も分詞構文。"blink" は「まばたきする」ですが、あまりの美しさや眩しさに目をパチパチさせているラプンツェルの姿が愛らしいですよね。または、新しい経験への驚きかもしれません。
  • "Now I'm here / Suddenly I see" 「今、私はここにいる/突然、私には見える(わかる)」 この "see" がポイント! 「見える」だけでなく、「理解する」「わかる」という意味も持っているんです。ラプンツェルはランタンの光景と同時に、何か大切な真理にも気づき始めたんですね。
  • "Standing here / It's all so clear / I'm where I'm meant to be" 「ここに立っていると/すべてがとてもはっきりする/私はいるべき場所にいるんだと」 "Standing here" も分詞構文。「ここに立っていると」という状況が、彼女に確信を与えます。"It's all so clear" は「すべてがとても明確だ」ということ。そして、きました!"I'm where I'm meant to be"。「私は、自分がいるべき場所にいる」。この "be meant to be" という表現、とっても素敵だと思いませんか?「~する運命である」「~することになっている」という、何か大きな力に導かれたような、宿命的な感覚を表します。塔の外の世界こそが、自分の本当の居場所なんだとラプンツェルが確信した瞬間です。「この『いるべき場所にいる』って感覚、人生で一度は経験してみたいですよね…!」

フリン(ユージーン)の視点:空虚な過去から、温かな現在へ

次に、フリン・ライダーことユージーンのパート。彼もまた、ラプンツェルとの出会いによって大きな変化を経験します。


All those days Chasing down a daydream All those years Living in a blur All that time Never truly seeing things The way they were

過去の「白昼夢」と「ぼやけた日々」

  • "All those days / Chasing down a daydream" 「来る日も来る日も/叶わぬ夢ばかり追いかけて」 "Chasing down a daydream"、これも分詞構文です! "chase down" は「追い詰める」ですが、ここでは「(実現不可能な)白昼夢(daydream)ばかりを追い求めていた」という、フリンの地に足の着かない生き方が表されています。彼にとっての「daydream」は、お城のティアラを盗んで手っ取り早く大金持ちになることだったのかもしれませんね。
  • "All those years / Living in a blur" 「来る年も来る年も/ぼんやりと生きていた」 "Living in a blur" も分詞構文。「ぼんやりと生きていた」。"blur" は「ぼやけたもの」「曖昧な状態」を指し、目的も意識もはっきりしないまま日々を過ごしていた彼の空虚さが伝わってきます。「なんだか、フリンの気持ちも少し分かる気がする…なんて思うのは私だけでしょうか?」
  • "All that time / Never truly seeing things / The way they were" 「その間ずっと/物事をありのままに/本当の意味で見てはいなかった」 ここも分詞構文で、"truly"(本当に、ありのままに)がポイント。"The way they were" は「物事のありのままの姿」という意味。自己中心的で、現実をちゃんと見ていなかった過去の自分を、フリンが振り返っているんですね。

ラプンツェルの過去が「無知」だったのに対し、フリンの過去は「自己中心的で空虚」だったことが対比されています。

新しい世界の「輝き」と「進むべき道」

そんなフリンも、ラプンツェルという「光」に出会います。


Now she's here Shining in the starlight Now she's here Suddenly I know If she's here It's crystal clear I'm where I'm meant to go

  • "Now she's here / Shining in the starlight" 「今、彼女がここにいる/星明かり(のようなランタンの光)の中で輝いて」 ラプンツェルのパートの "Now I'm here" に呼応していますね! "Shining in the starlight" も分詞構文。ラプンツェルが、フリンにとって希望の光のように輝いて見えている様子が美しいです。
  • "Now she's here / Suddenly I know" 「今、彼女がここにいる/突然、私にはわかる」 ここでの "know" は、理屈ではなく直感的な理解、確信を表しています。
  • "If she's here / It's crystal clear / I'm where I'm meant to go" 「もし彼女がここにいるなら/それは一点の曇りもなく明らかだ/僕が行くべき場所(進むべき道)が」 "crystal clear" は「極めて明瞭な」「一点の曇りもない」という、とても強い確信を表すイディオム。「クリスタルみたいに透き通ってハッキリわかる!」って感じですね。かっこいい表現! そして、ラプンツェルの "I'm where I'm meant to be"(いるべき場所にいる)に対して、フリンは "I'm where I'm meant to go"(行くべき場所にいる/行くべき道がわかる)。"go" を使うことで、これからの行動や未来への方向性を示唆しているようにも取れます。「フリン、君もついに見つけたんだね!」と声をかけたくなります。

サビ:二人の心が重なる「光」の奇跡

そして、いよいよ二人の心が通い合うサビへ。ここでの「光」は、二人の未来を明るく照らし出す、希望そのものです。


And at last I see the light And it's like the fog has lifted And at last I see the light And it's like the sky is new And it's warm and real and bright And the world has somehow shifted All at once everything looks different Now that I see you

  • "And at last I see the light" 「そしてついに、私には光が見える(真実がわかる)」 "at last" は「ついに」「ようやく」。長い間の闇が晴れ、本当に大切なものを見つけた感動が込められています。この "the light" は、ランタンの光であると同時に、真実、愛、希望、新しい人生の象徴。英語の歌や詩で "light" が肯定的なものの象徴として使われるのは定番ですが、この曲はその中でも特に心に響きます。
  • "And it's like the fog has lifted" 「まるで霧が晴れたように」 "it's like..." は直喩(ちょくゆ)といって、「まるで~のようだ」という表現。心のもやもや、混乱、疑念といった「霧(fog)」が、さーっと晴れていくイメージです。"has lifted" と現在完了形なので、今まさに晴れた!というクリアな感覚。
  • "And it's like the sky is new" 「まるで空が新しくなったように」 世界が新鮮に見え、新しい可能性が開けたような、晴れやかな気持ちが伝わってきます。
  • "And it's warm and real and bright" 「そしてそれは温かくて、現実で、輝いている」 この感覚的な形容詞の連続!ラプンツェルとフリンが感じている幸福感、安心感、そして未来への希望がストレートに表現されています。
  • "And the world has somehow shifted" 「そして世界は、どういうわけか変わったんだ」 "somehow"(どういうわけか、なんとなく)という言葉が、理屈では説明できないけれど、確かに世界が変わって見える、内面的な大きな変化を表しています。
  • "All at once everything looks different" 「突然、何もかもが違って見える」 (フリンのパートでは "everything is different" となっています。 "looks different" は主観的な見え方の変化、"is different" はより客観的な変化を強調する傾向がありますが、ここでは大きな差はないかもしれませんね。) "All at once" は「突然に」「一斉に」。本当に、世界が一変したんですね。
  • "Now that I see you" 「今、あなたに会った(あなたを理解した)から」 そして、このサビを締めくくる、とどめの一言! "Now that..." は「今や~なので」「~だからには」という理由を表します。この "see you" は、単に「あなたを見る」だけじゃなく、「あなたに出会えたから」「あなたの本当の姿を理解したから」という深い意味が込められています。「この一言に、二人の間に芽生えた愛情と信頼のすべてが詰まっているようで、もう…グッときますよね!」

この曲では、"see" という単語が本当に巧みに使われています。

  • 物理的に「見える」 (ランタンの光)
  • 比喩的に「理解する」「わかる」 (真実、自分の気持ち)
  • 「会う」「出会う」 (あなたに) 文脈によってこんなに意味が広がるなんて、英語って面白い!と改めて感じます。

英語学習の視点から:この曲で学べること

この「I See the Light」は、美しいだけでなく、英語学習の宝庫でもあるんです!

  • 分詞構文のオンパレード: "Watching", "looking in", "Blinking", "Standing", "Chasing down", "Living in", "Shining"... こんなにたくさん!最初は難しく感じるかもしれませんが、「~しながら」「~している状態で」といったニュアンスを掴むと、生き生きとした情景が目に浮かんできます。
  • "be meant to do/be" の使い方: 「~する運命だ」「~することになっている」という、ちょっと日本語にしにくいけど、ネイティブがよく使う表現。ドラマや映画でも耳にする機会が多いので、この曲でニュアンスを掴んでおくと良いですね!「私もこの表現、次の英会話でサラッと使ってみたいです!」
  • 冠詞 "the" の感覚: "the light", "the fog", "the sky" のように "the" がつくのは、ラプンツェルやフリン(そして私たち観客)が「あの光」「あの霧」「あの空」と、心の中で特定できているから。この感覚、大事にしたいですね。

まとめ:一緒に見つけた「光」と、次の一歩

いや~、ラプンツェルとフリンと一緒に、私たちもたくさんの「光」を見つけることができたのではないでしょうか?

  • 過去の自分からの解放: 二人とも、過去の「見えていなかった」状態から抜け出しました。
  • 新しい世界の発見: 外の世界の美しさ、そして自分の本当の気持ちに気づきました。
  • 相手の存在の大きさ: お互がいなければ、この「光」には気づけなかった。

この記事を書きながら、私自身も改めてこの曲の歌詞の深さ、言葉の美しさに心を揺さぶられました。特に、ラプンツェルとフリンが同じような言葉を使いながらも、主語や細かい表現の違いでそれぞれの視点や変化を描き分けている構成には、本当に「お見事!」と唸ってしまいます。

完璧じゃなくても、こうして一緒に一歩ずつ歌詞を読み解いていくことで、着実に英語の世界は広がっていくんですよね。そして何より、大好きな映画や音楽を通して学ぶ英語は、最高に楽しい!

皆さんは、『塔の上のラプンツェル』や「I See the Light」のどのフレーズ、どのシーンに心を動かされましたか? もしよろしければ、ぜひコメントであなたの「好き」や発見を教えてくださいね。

そして、ぜひこの機会に、オリジナルの英語の歌詞で「I See the Light」をじっくりと味わい、映画『塔の上のラプンツェル』の世界に再び浸ってみてはいかがでしょうか。きっと、あなただけの新しい「光」が見つかるはずです。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました! また次回の記事でお会いしましょう。今後とも『ねことシネマ』をどうぞよろしくお願いいたします。

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  • あのランタンが空に舞うシーン、4Kだと一つ一つの光がすごく綺麗で、部屋で観ていても思わずため息が出ちゃうんです。
  • アラン・メンケンさんの音楽、やっぱり素敵ですよね。包み込まれるような音で聴けるのが、ちょっとした贅沢な感じ。
  • 何度観ても心が温かくなる映画なので、手元にあると、ふとした時に観返して元気をもらったりしています。

  • この記事を書いた人

HAL8000

映画と猫をこよなく愛するブロガー。 多いときは年間300本以上の映画を観ていて、ジャンル問わず洋画・邦画・アニメ・ドキュメンタリーまで幅広く楽しんでいます。

専門的な批評はできませんが、ゆるっとした感想を気ままに書くスタンス。 ブリティッシュショートヘア×ミヌエットの愛猫ハルも自慢したいポイントで、レビューの合間に猫写真や日常もたまに紹介しています。

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