(C)2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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【ネタバレなし】映画好きが選ぶ“上位コナン”!最新作『隻眼の残像』の魅力を語る

映画『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』基本データ

  • タイトル:『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』
  • 公開年:2025年4月18日
  • 監督:重原克也(原作:青山剛昌)
  • 脚本:櫻井武晴
  • 上映時間:110分
  • 出演
    • 高山みなみ(江戸川コナン)
    • 小山力也(毛利小五郎)
    • 高田裕司(大和敢助)
    • 小清水亜美(上原由衣)
    • 速水奨(諸伏高明) ほか
  • 視聴方法:全国劇場にて公開中

この記事でわかること

  • 劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』の大まかなあらすじ
  • 本作が“大人キャラクター”に焦点を当てた魅力的な刑事ドラマである理由
  • 歴代コナン映画を毎年観てきた映画好きが感じる“コナン映画の立ち位置”
  • 鑑賞前に押さえておきたい長野県警関連エピソード
  • 映画館を席巻するコナンと映画ファンの想い

はじめに

こんにちは。当ブログ『ねことシネマ』にお越しいただきありがとうございます。今回は、2025年4月に公開されたばかりの最新作『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』を取り上げます。私自身、去年は80本ほど映画館で鑑賞し、自宅での配信視聴も合わせると300本近く観るいわゆる“映画好き”ではあるのですが、そんな私でもなぜか毎年コナン映画だけは欠かさず劇場に足を運んでしまうんです。

世間には、「コナン映画はテレビアニメの延長じゃないの?」という意見もあれば、「あのメインテーマを劇場で聴くとワクワクする!」という根強いファンもいらっしゃるでしょう。私自身、映画ファンとして“アート系”や“社会派”の作品と迷いつつも、気づけばコナン映画を観てしまっている――。今回は、そんなコナン映画の魅力に加えて、新作『隻眼の残像(フラッシュバック)』の感想や見どころを、コラム的にご紹介していきます。


あらすじ

物語の舞台は長野県八ヶ岳連峰にある“末宝岳”。この雪山で、長野県警の大和敢助が逃走中の男を追跡中、ライフル弾によって左目をかすめられ、さらに雪崩に巻き込まれるという事故が起こります。大和はその負傷の影響で左目を失明してしまうのですが――それからおよそ10か月後、天文台の研究員が襲われる事件が発生。捜査のため現場へ向かった大和の左目が、なぜか激しい痛みを訴え始めるのです。

同じ頃、毛利小五郎は警視庁時代の元同僚・通称「ワニ」と呼ばれる刑事から連絡を受けます。彼曰く、雪崩事故を再調査していた際のファイルに「毛利小五郎」の名前が記載されていたというのですが……。刑事ドラマを思わせるシリアスな捜査パートと、“劇場版コナン”らしい派手なアクション要素が掛け合わさり、物語は濃密に展開していきます。

ちなみに、本作はネタバレ要素がたくさんあるので、核心にはあえて触れないようにしています。

(C)2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

作品の魅力

バランスの取れた“刑事ドラマ×ラブコメ×アクション”

今回のコナン映画は、「これまでにないほど大人向けで重厚感あふれる刑事ドラマ」としての一面が際立っています。毛利小五郎と長野県警のキャラクター(大和敢助、諸伏高明、上原由衣など)が繰り広げる捜査シーンは、緊迫感の高さでいえばシリーズ随一かもしれません。その一方で、終盤には「これぞ劇場版コナン!」と呼べるド派手なアクションが待ち受けており、真面目な推理パートからアクロバティックに盛り上がるラストへと流れる展開が実にスリリングです。

脚本を務める櫻井武晴さんはこれまでも多くのコナン映画に携わっていますが、今回ほど複雑かつ完成度の高いストーリーは珍しい印象を受けます。難解な伏線や捜査展開が多いため、置いていかれないように集中して観る必要がありますが、むしろそれが没入感を高める大きなポイントになっているとも感じました。さらに、コナン映画の“三本柱”ともいえる推理・ラブコメ・アクションは一切削がれていないため、従来のシリーズファンが求める「コナンらしさ」もきちんと残されています。大人向けの骨太な刑事ドラマとして楽しみつつ、少年探偵団や毛利小五郎のコミカルなシーンにホッとさせられる――そんな絶妙なバランスが、本作の最大の魅力ではないでしょうか。

「コナン映画を映画館で観る価値はあるのか?」への答え

コナン映画が公開されると、全国のシネコンでは朝から晩まで上映が組まれ、空前の盛り上がりを見せます。「こんなにスクリーンを独占して大丈夫?」という声が出るのも無理はありません。昨年は『オッペンハイマー』との上映枠をめぐる騒動(過去記事で少し触れました)もありましたから、映画好きとして複雑な思いを抱える方も多いでしょう。

とはいえ、アニメならではのド派手な演出や、テレビシリーズではなかなか見られない壮大なアクションを目一杯楽しめるのは、やっぱり映画館ならではの醍醐味だと思います。コナン目当てで劇場にやってきた人が、ついでに別の映画の予告編を観て「ほかの作品も観てみようかな」と思ってくれるなら、それは映画文化全体にとってポジティブな効果と言えます。

過去キャラクターをチェックするとさらに楽しめる

今回のメインキャラクターである長野県警の面々は、原作エピソード「風林火山編」や「赤い壁編」で登場しました。アニメ版だとシーズン13の516話・517話(風林火山編)、シーズン14の558話〜561話(赤い壁編)などが対応回です。そこから大和敢助の過去や、諸伏高明との関係などが描かれているので、改めて観直しておくと本編でのキャラクター描写をより深く楽しめるはずです。

そして、今回の事件の鍵を握るのは「雪山の事故」と「左目を失ったはずの大和が感じる痛み」ですが、その背景にはコナン映画らしくロマンもミステリーも入り混じっています。一見するとシリアスな展開の中で、少年探偵団や毛利小五郎のコミカルなシーンが挟まる塩梅がちょうど良く、「暗くなりすぎない」のが本作の魅力です。

“春の風物詩”としてのコナン

何だかんだ言いつつ、私が毎年コナン映画を観る理由は、「やはり春になるとあのメインテーマが聴きたくなる」からです。シリーズ初期からの定番であるオープニングのロゴ演出を観ると、不思議なくらいワクワクしてしまうのです。

そうした“お祭り感”に惹かれて劇場へ足を運び、ふとロビーに目をやるとほかの新作映画のポスターが並んでいる――そこから「この作品も気になるな」と世界を広げていくのは、とても素敵な体験ですよね。コナン映画は、ある意味「映画館への入り口」としても機能しているのではないかと感じます。


まとめ

今回の『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』は想像以上に面白く、個人的にはここ数年でいちばんの当たりでした!刑事ドラマの要素が濃厚でありながら、ラブコメ要素、少年探偵団の活躍やアクションシーンも派手に盛り込まれ、作品全体のバランスが絶妙。そのため、コナンをしばらく観ていなかった方や、大人向けの緊迫感を求める方でも存分に楽しめるはずです。最後には恒例の「コナン的アクション」が炸裂しますし、「一体どうやって切り抜けるんだ……!」と思うほどのスケール感も健在。劇場版ならではの迫力を堪能できるでしょう。

もちろん「映画館をコナンが席巻しすぎ!」といった批判もあるかもしれませんが、多くの人が映画館を楽しむきっかけになるという意味では、決して悪いことばかりではないのではないでしょうか。「もう卒業かな」と迷っている方も、ぜひ一度劇場でその熱量を味わってみてください。刑事サイドの濃厚なストーリーが意外なほどしっかり描かれているので、改めてコナン映画の奥深さに気づくきっかけになるかもしれません。

  • この記事を書いた人

HAL8000

映画と猫をこよなく愛するブロガー。 多いときは年間300本以上の映画を観ていて、ジャンル問わず洋画・邦画・アニメ・ドキュメンタリーまで幅広く楽しんでいます。

専門的な批評はできませんが、ゆるっとした感想を気ままに書くスタンス。 ブリティッシュショートヘア×ミヌエットの愛猫ハルも自慢したいポイントで、レビューの合間に猫写真や日常もたまに紹介しています。

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