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【愚痴】そのスマホ、本当に今必要?映画館のマナーについて、一人の映画好きとして本気で考えてみた。

はじめに:今夜、どうしても語りたくなった、ある映画体験のこと

こんにちは。当ブログ『ねことシネマ』へようこそ。

突然ですが、皆さんには、心から「この空間、この時間、最高!」と思えるような、映画館での鑑賞体験はありますか?私にとって映画館は、日常から解放されて、作品の世界にどっぷりと浸れる、かけがえのない大切な場所なんです。

ですが、本日、そのかけがえのない体験が、ほんの少しのことでいかに簡単に壊れてしまうものなのかを、痛感する出来事がありました。週に2~3回は劇場へ通う私の中でも、忘れられない、ある意味で「ワースト」な鑑賞体験として記憶に刻まれてしまいました。

正直なところ、このモヤモヤした気持ちと、やるせない思いを抱えたままでは、今夜はなんだか眠れそうにありません。(明日は5時起きして、ひとりTDSへインパするというのに...!)

これは一個人の、少し感傷的なお話かもしれません。ですが、同じように映画を愛し、劇場という空間を大切に思っている方になら、きっとこの気持ちを少しは分かっていただけるかもしれない…。そんな思いで、今、どうしてもこの気持ちを言葉にしておきたくなりました。

きっかけは、忘れられない鑑賞体験

その日、私が鑑賞したのは、公開をずっと心待ちにしていたディズニーの実写映画『リロ&スティッチ』でした。作品への期待に胸を膨らませて座席に着いたのですが、そのワクワクした気持ちは、徐々に嫌な予感へと変わっていきます。

予告編の間、客席が少しザワつくのは、ある意味で映画館の活気とも言えます。私も、本編が始まるときにピタッと静かになれば、それで全く構いません。

しかし、その日は違いました。本編の開始を告げる、あのディズニーお馴染みのシンデレラ城のオープニングがスクリーンに映し出されても、客席の話し声が、一向に収まらなかったのです。一組が話し続けると、まるでそれに誘われるように、他の場所からも声が聞こえ始める…。本来なら訪れるはずの静寂が、ついに一度もやってこない。そんな信じられない空気が、ずっと劇場に漂っていました。

これまでも、マナーが気になる方に遭遇することは稀にありました。でも、それはあくまで「点」としての存在でした。しかし、今回ばかりは違ったんです。上映中、常にどこかしらから人の声が聞こえ、劇場が完全に静寂に包まれる瞬間が、一度も訪れなかったのです。まるで、作品に没入しようとするたびに、現実世界に引き戻されるような感覚でした。

私の没入を返して…!映画館で気になった残念なマナー

そのザワザワとした空気だけでなく、他にも集中力の糸を何度も断ち切るような出来事がありました。

チラチラ視界に入るスマホ、その光は“凶器”です

一番気になったのは、やはりスマートフォンの光でした。暗闇の中で不意に灯るあの光は、本当に、想像以上に気になるものなんですよね。私の隣に座っていたカップルも、上映中に何度もスマホを操作していました。そのたびに、スクリーンの中の美しい世界から、ハッと我に返ってしまうんです。

わずか2時間ほどの魔法の時間。その間だけ、現実世界の喧騒から離れたくて映画館に来ているのに…と、少し悲しい気持ちになりました。

一瞬、思考が停止した「ピカッ!」という強い光

さらに、上映中に2度ほど、思わず「えっ?」と声が出そうになるほど眩しい光が客席から放たれました。誰かのスマートフォンのライトが誤作動しただけなのかもしれませんし、そうだと信じたいですが、いずれにせよ、あの強い光は、物語に入り込んでいた気持ちを砕くには十分すぎる威力がありました。

なぜ、それが「作品の価値」を損なってしまうと感じるのか

「少し神経質すぎるのでは?」と思われるかもしれません。でも、私にとって映画鑑賞の環境は、作品から何を受け取れるかを左右するとても大切な要素なんです。

監督がこだわり抜いた光と影のコントラスト。俳優たちのほんの僅かな表情の変化。観客を包み込むように設計された音の響き。それら全ては、作り手から私たちへの、目に見えない「贈り物」のようなものだと感じています。そして、その贈り物を最大限に受け取るためには、観客である私たちも、作品の世界に深く深く、集中する必要があります。

スマホの光や私語は、その集中をいとも簡単に断ち切ってしまいます。それは、作り手が込めた繊細なメッセージや、細部に宿る芸術性を見過ごすことにも繋がりかねません。それはまるで、シェフが心を込めて作った料理を、最高の状態で味わう機会を失ってしまうことと、どこか似ている気がするのです。

鑑賞後の、驚きと、やるせなさと

素晴らしい音楽が流れるエンドロールの中、不意に隣から会話が聞こえてきました。本編中、あれだけスマホを操作していたカップルです。

「やっぱ上映中にスマホいじるのって迷惑だよねー」

……え?いま、なんて?

数秒間、思考が停止しました。耳を疑うとは、まさにこのこと。怒りを通り越して、もはや一種のホラー体験でした。

「映画館の空気」についての、あくまで個人的な思い

どうして、その日はそんな空気になってしまったのでしょうか。

これは私の勝手な想像で、偏見と捉えられてしまったら申し訳ないのですが、普段私が足を運ぶ上映回の雰囲気と、少し違ったのかもしれない…とも感じました。私がよく観るのは、単館系の作品や少しコアな映画など、比較的規模の小さいものが多いのですが、そういった上映回には、自然と「映画館という空間や、作品に集中する時間を大切にしたい」という共通の想いを持った方が、結果的に多く集まっているのかもしれません。

今回は誰もが知るディズニーの人気作だったからこそ、本当に色々な方がいらっしゃっていて、その「暗黙のルール」に対する想いの強さに、たまたま少しだけ温度差が生まれてしまったのかな…と、そんなことを感じました。

まとめ:素晴らしい作品だったからこそ

ここまで、私の個人的な体験と、それによって感じた気持ちを長々と綴ってしまいました。もし、不快に感じられた方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ありません。

何よりも悔しいのは、今回鑑賞した実写版『リロ&スティッチ』が、近年のディズニー実写作品の中でも、心から「好きだ!」と思える素晴らしい出来栄えだったことです。だからこそ、この大好きな作品との最初の出会いが、少し悲しい思い出になってしまったことが、本当に、本当に悔やまれるのです。

この素敵な映画の感想については、後日、改めて気持ちを整理して、たっぷりと語らせてください。

最後に、これは一映画ファンのささやかな願いです。 映画館という場所が、そこに集うすべての人にとって、作品の世界に心ゆくまで浸れる、魔法のような空間であり続けてほしい。そのために、ほんの少しだけ、お互いの時間を尊重しあえたら…。きっと、もっと素敵な体験が待っているはずです。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

  • この記事を書いた人

HAL8000

映画と猫をこよなく愛するブロガー。 多いときは年間300本以上の映画を観ていて、ジャンル問わず洋画・邦画・アニメ・ドキュメンタリーまで幅広く楽しんでいます。

専門的な批評はできませんが、ゆるっとした感想を気ままに書くスタンス。 ブリティッシュショートヘア×ミヌエットの愛猫ハルも自慢したいポイントで、レビューの合間に猫写真や日常もたまに紹介しています。

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