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【10倍楽しむ方法】ディズニーランド「ペニーアーケード」と関連映画3選|グランマの占いの元ネタも解説

はじめに

『ねことシネマ』へようこそ。 このブログを見つけてくださって、本当にありがとうございます。

今回から、新しい企画を始めてみたいと思います。それは「ディズニーテーマパークと映画」という視点で、パークの魅力をさらに深掘りしていく試みです。

私自身、昔からディズニーが大好きで、今でも時々一人でふらっと東京ディズニーリゾートへ足を運んでいます。先日も、夏限定のフードとカクテルを目当てにパークを訪れ、好きなものを好きなだけ満喫してきました。一人ディズニーの醍醐味ですね。

私がディズニーリゾートに惹かれる一番の理由は、その「バックグラウンドストーリー」の作り込みにあります。アトラクションやレストランの一つひとつに驚くほど細かい物語が隠されていて、それを発見するたびに、まるで“映画の世界”を歩いているような感覚になれるのです。

そこで、思いました。パークの物語の背景にある時代や場所をテーマにした映画を観れば、もっと深くパークの世界を楽しめるのではないか、と。

この企画が、ディズニー好きな方が新しい映画に出会うきっかけや、映画ファンの方が再びパークを訪れるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。記念すべき第1回、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

今回のテーマ:ペニーアーケードと関連映画

今回深掘りするのは、東京ディズニーランドのワールドバザールにある「ペニーアーケード」。そして、この場所から連想される3本の映画です。

  • 施設名: 東京ディズニーランド ワールドバザール「ペニーアーケード」
  • 関連映画:
    • 『ビッグ』(1988年、監督:ペニー・マーシャル)
    • 『キートンのコニー・アイランド』(1917年、監督:ロスコー・アーバックル)
    • 『女と男の観覧車』(2017年、監督:ウディ・アレン)

この記事でわかること

この記事を読むと、こんなことがわかります。

  • ペニーアーケードの素敵な元ネタ、ニューヨークに実在した遊園地「コニーアイランド」の物語
  • アトラクション「グランマの占い」に隠された、驚くほど具体的なルーツ
  • 実はペニーアーケードが「映画の歴史」そのものと深く関わっているという事実
  • 映画『ビッグ』などを観ると、次からのパーク体験が何倍も楽しくなる理由

パークと映画の素敵な繋がり

ペニーアーケードに隠された物語のルーツ

ワールドバザールの喧騒の中、私がいつもなんとなく立ち寄ってしまう「ペニーアーケード」。このレトロなゲームセンターのモデルについて少し調べてみると、とても興味深い歴史が隠されていました。

そのルーツは、20世紀初頭にニューヨークのブルックリンに実在した巨大遊園地「コニーアイランド」にあります。ここは当時、アメリカで初めて階級の壁を越えて誰もが楽しめる「民衆の遊び場」として、爆発的な人気を博した場所でした。

特に、1903年にオープンした「ルナパーク」というエリアは、夜になると数十万個もの白熱電球が建物を照らし、その光景に人々は息をのみ、「エレクトリック・エデン(電気の楽園)」と呼びました。テクノロジーで創り出す、現実離れしたおとぎ話の世界…これこそ、後のディズニーランドに受け継がれる“魔法の原点”だと思いませんか?ワールドバザールやペニーアーケードを包むあの温かい光は、この革命的な光への敬意の表れなのかもしれません。

そして、さらに驚くべきは、このペニーアーケードという場所が「映画の揺りかご」だったという事実です。エジソンが発明した初期の映画装置「キネトスコープ」は、箱をのぞき込んで映像を楽しむ機械でした。そして、そのキネトスコープが数多く設置され、人々が1セント硬貨(ペニー)を入れて「動く写真」に熱狂した場所こそが、ペニーアーケードだったのです。つまり、ここはゲームセンターであると同時に、世界で最初の映画館の一つでもあったのですね。

私がパークで感じたこと(インパ日記)

先日パークを訪れた日も、私はベーコンとパイナップルのピザを食べ、『美女と野獣“魔法のものがたり”』に30分待ちで乗れるなど、とても幸せな一日を過ごしました。そして食後の散歩がてら、ワールドバザールへ。そこでふと足が向いたのが、やはり「ペニーアーケード」でした。

ペニーアーケードです!(撮影:私)

店内には、モデルとなったコニーアイランドの古い写真が飾られています。実はこのコニーアイランド、TDSの「トイビル・トロリーパーク」のモデルでもあるんです。ホラーな雰囲気のタワテラの隣に、なぜか陽気なトイ・ストーリーの世界が?と不思議に思っていたんですが、どちらも「20世紀初頭のニューヨーク」という共通点で繋がっていると知った時、思わず膝を打ちました。この伏線、気づいていましたか?

是非壁に目を向けてみてください!(撮影:私)

そんな歴史に思いを馳せながら、私はいつも決まって一台のマシンの前に立ちます。それが、少しミステリアスな雰囲気を漂わせる「グランマの占い」です。

映画が教えてくれる世界観

ここからは本題です。このペニーアーケード、そして「グランマの占い」から私が連想した、おすすめの映画を3本ご紹介します。

1. 願いを叶えるマシンとの出会い - 『ビッグ』(1988年)

「グランマの占い」を見て、映画好きの私が真っ先に思い浮かべたのが、トム・ハンクス主演の映画『ビッグ』です。

12歳の少年が、遊園地で見つけた「ゾルダー」という不思議な機械に「大人になりたい」と願うと、翌朝本当に大人の姿になってしまう…という物語。この物語のきっかけとなる機械「ゾルダー」が、「グランマの占い」とそっくりなのです。

こちらグランマの占い(撮影:私)
こちらゾルダー

「もしかしたら同じ年代に作られた機械なのかな?」なんて想像していたのですが、調べてみてさらに驚きました。「グランマの占い」の直接の元ネタは、1929年頃に実在した「Grandmother's Predictions(おばあちゃんの予言)」という自動占いマシンなのだそうです。私たちがパークで見るグランマは、単なるレトロ風の飾りではなく、歴史への具体的なリスペクトの証だったのですね。

東京ディズニーリゾートは「願いが叶う場所」。この映画を観た後でグランマの前に立つと、もしかしたら本当に願いを叶えてくれるかもしれない…そんな気がしてきませんか?

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2. 100年以上前の本物の熱気 - 『キートンのコニー・アイランド』(1917年)

ペニーアーケードが再現した世界の「本物」を見てみたい方には、このサイレントコメディがおすすめです。なんとこの映画、100年以上前の本物のコニーアイランドで全編撮影された、奇跡のような記録映像なのです。

画面に映し出される、今では失われてしまったアトラクションの数々や、当時の人々の活気は、まさにタイムマシン感覚。ウォルト・ディズニーが洗練させようとした、荒削りだけれど生命力に満ちた娯楽のエネルギーを肌で感じることができます。

30分弱と短く、パブリックドメインなのでYouTubeなどで無料で見られるのも嬉しいポイント。この「一次資料」に触れた後では、美しく整えられたペニーアーケードの風景が、また違った意味を持って見えてくるはずです。

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3. 絵画のように美しいノスタルジー - 『女と男の観覧車』(2017年)

『キートンのコニー・アイランド』が“事実”を見せてくれるのに対し、ウディ・アレン監督のこの作品は、1950年代のコニーアイランドを“ロマンチックな神話*として見せてくれます。(過去記事はこちら

伝説的な撮影監督による映像はどこを切り取っても絵画のように美しく、夕暮れに染まる遊園地のシルエットやネオンの輝きは、ため息が出るほど。ペニーアーケードが醸し出すノスタルジーの「感情的な風景」を、完璧に捉えた一本です。少し古すぎる映画は苦手…という方は、まずはこちらの作品からコニーアイランドの世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は、東京ディズニーランドの「ペニーアーケード」をきっかけに、3本の映画をご紹介しました。

映画を観ることで、パークの景色に隠された物語がより深く、より色鮮やかに見えてくる。そしてパークでの体験が、映画のワンシーンをより感動的に思い出させてくれる。そんな素敵な相乗効果が、そこにはあるように思います。

次にパークへ行く前に、ぜひこの中のどれか一本でもご覧になってみてください。次にあなたがワールドバザールを歩くとき、その一歩が、いつもより少し特別な意味を持つことを願って。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。もし「ペニーアーケードといえば、この映画も外せないよ!」という作品があれば、ぜひコメントで教えてください。私も観てみたいので、参考にさせてください!

・【公式】ペニーアーケード|東京ディズニーランド

  • この記事を書いた人

HAL8000

映画と猫をこよなく愛するブロガー。 多いときは年間300本以上の映画を観ていて、ジャンル問わず洋画・邦画・アニメ・ドキュメンタリーまで幅広く楽しんでいます。

専門的な批評はできませんが、ゆるっとした感想を気ままに書くスタンス。 ブリティッシュショートヘア×ミヌエットの愛猫ハルも自慢したいポイントで、レビューの合間に猫写真や日常もたまに紹介しています。

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