映画『アナと雪の女王』基本データ
- タイトル:『アナと雪の女王』
(原題:Frozen) - 公開年:2013年(アメリカ)/2014年(日本)
- 監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
- 主要キャスト(英語版/日本語吹き替え):
- エルサ役:イディナ・メンゼル/松たか子
- アナ役:クリステン・ベル/神田沙也加
- クリストフ役:ジョナサン・グロフ/原慎一郎
- ハンス役:サンティノ・フォンタナ/津田英佑
- オラフ役:ジョシュ・ギャッド/ピエール瀧(※現在は武内駿輔)
- 上映時間:102分
- 主な受賞・映画祭出品:
- 第86回アカデミー賞 長編アニメ映画賞・歌曲賞(「Let It Go」)受賞
- 第71回ゴールデングローブ賞 アニメ映画賞 受賞
- ほか多数の映画賞で高い評価
- 視聴方法:
- DVD/Blu-ray、各種配信サービス(Disney+など)で視聴可能
この記事でわかること
- “真実の愛”に対する新しいアプローチ
- ディズニー作品の王道を活かしつつ“裏切る”脚本の妙
- エルサ・アナ姉妹の個性とキャラクター性
- 映像美&音楽の魅力とカメラワークの面白さ
- 東京ディズニーシー「ファンタジースプリングス」体験記と攻略ポイント
はじめに
こんにちは。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
子どもの頃からディズニー映画に夢中で、クラシック作品はもちろん、新しいタイトルも欠かさず楽しんできました。最近は『モアナと伝説の海2』や『ライオン・キング/ムファサ』を鑑賞し、ディズニーが生み出す新たな魔法に改めて心を奪われています。
そんな私が、改めて『アナと雪の女王』を観直したきっかけは、昨年新オープンした東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」へ行くこと。ここに『アナ雪』『塔の上のラプンツェル』『ピーターパン』などをモチーフにしたアトラクションが登場したと聞き、再び“アナ雪熱”が再燃しました。すでに何度も観てきた作品とはいえ、久々に見直してみると、新たな発見や改めて感じ入るポイントが多く、やはり名作だなと実感。そこで今回は、『アナと雪の女王』再鑑賞のレビューと、新エリアを体験して感じたことをまとめてみたいと思います。

あらすじ
氷の力を持つ王女エルサは、その能力で妹アナを傷つけてしまうことを恐れ、長いあいだ自室に閉じこもったまま周囲とのかかわりを断っていた。ところが、成人して女王の座を継ぐ日、彼女の力が表に出てしまい、王国を厳しい真冬へと変えてしまう。エルサは罪悪感と開放感のはざまで雪山へと姿を消し、自分にしかできない魔法を解き放ちながら本当の自分を受け入れ始める。残されたアナは、冬まっただ中の国を元に戻すため、頼りになる山男クリストフや好奇心いっぱいのトナカイ・スヴェン、陽気な雪だるまのオラフとともに険しい山道を進み、姉のもとを目指すのだった。
『アナと雪の女王』再鑑賞レビュー
ストーリーの巧みな裏切り
ディズニープリンセスといえば、これまで「運命の王子様との出会い」や「真実の愛のキス」というおとぎ話の定番要素を大切にしてきました。しかし、『アナと雪の女王』はその王道要素をあえて崩し、新しい物語の可能性を示唆したのが大きな特徴です。
序盤では、“いかにも運命の相手”らしいハンス王子とアナが出会い、盛り上がっていくように見えます。ところが、姉のエルサは「初対面の人と結婚なんて早すぎるでしょ!」と反対。プリンセス映画を観慣れた私たちの“お約束”意識をくじいてくるんですね。そのうえ、“ヴィラン不在”のまま話が進む展開も斬新。エルサの心の闇やアナの衝動的な行動力こそが物語の核となり、誰か明確な敵と戦うわけではなく、自己受容と相互理解がクライマックスを作っていく。この構造が独特の没入感と新鮮味をもたらしていると改めて感じました。
キャラクターの個性と “真実の愛” のアップデート
姉妹であるエルサとアナの対照的な性格は多くのファンが魅力を感じるところでしょう。アナは明るく天真爛漫、一方のエルサは強大な魔法を抱え孤立してしまう存在。序盤はすれ違っている2人ですが、物語後半で「真実の愛=恋愛だけではない」というテーマに行き着き、姉妹愛こそが最大の鍵になる瞬間は、いつ観ても心打たれます。
ロマンスへの期待を裏切っておきながら、しっかり「愛」というモチーフをドラマティックに描くのがうまいですよね。古典ディズニーと比較すると相当大胆なシフトですが、“自分が愛すべきものは誰なのか”を問う過程で、姉妹同士の絆が浮かび上がる構造は秀逸だと思います。
映像美と音楽の魅力 – カメラワークに注目!
『アナと雪の女王』といえば、やはり氷と雪を駆使したビジュアル表現が印象的です。エルサの力で雪景色へ一変したアレンデールや、山奥にそびえ立つ氷の城など、CGアニメならではの繊細なディテールが画面を彩りますが、その映像美を一層引き立てているのがカメラワークの巧みさです。
特に印象的なのは、エルサが「Let It Go」を歌いながら氷の宮殿を作り上げていくシーンです。冒頭ではやや俯瞰気味のロングショットでエルサの孤独や戸惑いを強調しながら、曲調の盛り上がりに合わせてカメラアングルが次々と切り替わり、氷が生まれ出す様子を多角的に映し出します。
さらに注目なのは、冒頭とラストのどちらも“引きのショット”で始まり、そして終わること。ラストの「♪歩き出そう」のフレーズでは、正面から捉えたエルサの姿から一気にカメラが引く動きへと切り替わります。同じ「引き」を使っていても、最初は「世界の広さに対して自分が小さく見える」イメージ、最後は「世界へ踏み出していく開放感」を表現する対照的な演出になっているのが面白いですね。

個人的ハイライト – 働く“意外性”の数々
姉妹愛がクライマックスを形作る
従来のプリンセス映画なら「王子との愛がすべてを救う」というパターンも多かった中で、本作は「真実の愛=姉妹の絆」という決着に到達します。いわゆる「愛のキス」ではなく、姉を守るためのアナの自己犠牲が大きな転換点になる展開に、初めて観たときは驚かされたのを覚えています。
この結末は、ロマンスを求めていた人にはある意味裏切りかもしれませんが、“愛”という言葉の幅広さや深さを再確認させてくれますよね。アナとエルサ、それぞれが抱える孤立と不安、でもやっぱり信じ合える2人の間に生まれるドラマチックな感動。名作と呼ばれる所以だなと思います。
クリストフは“現代ディズニー男子”の最高峰?
アナ雪を語るうえで外せないのがクリストフの存在。イケメン王子枠かと思いきや、まったくそうではないところが逆に新鮮で、常識人としてアナの冒険に付き合う姿が頼もしいですよね。これまでのディズニー映画では最終的に王子様が一挙手一投足でストーリーを変えてしまうケースが多かったものの、クリストフはあくまで“アシスト的”かつ実直な役回り。
「その日会った男との結婚ってどうなの?」と、しれっと正論を言える姿勢はまさに現代的。ヒロインに対しても上から目線にはならず、状況を客観視してサポートをする感じが“新しい男性像”だなと感じています。彼こそが、エルサとアナのストーリーを支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。
オラフという癒やしの存在
コミカル担当と見られがちなオラフですが、実は大人の目線で見ても笑えるセリフが詰まっているのが魅力です。特に彼が「夏って素敵だよね!」と言い放つところなどは、雪だるまの存在意義を自ら覆すような発想があって、シュールさにクスッとさせられます。
しかもオラフが、後半でちょっとした“覚悟”を見せる場面もあるのが偉いというか、彼が単なるマスコットキャラクターに留まらない奥行きを与えてくれます。作品全体のトーンを軽快に保ちつつ、キャラクター同士の思いやりを象徴する役回りとしても大活躍ですよね。
東京ディズニーシー「ファンタジースプリングス」体験記
昨年新オープン! アナとエルサのフローズンジャーニー
昨年新しく登場した「ファンタジースプリングス」では、『アナと雪の女王』をテーマにしたライドアトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」が話題を呼んでいます。映画の世界観を体感できるとあって、オープンから8か月経った今でも大人気。実際に乗ってみると「あのシーンが再現されてる!」というポイントが随所に散りばめられており、映画を観ていれば「ここはあそこだ!」と盛り上がること間違いなしです。
特に印象的なのは、ライドに乗り込むまでのQライン(待ち列)。劇中に登場するアイテムを思わせるこだわりのインテリアがところどころに配置されていて、並んでいる間から作品の世界へ没入できます。たとえば、アナのマントと帽子が掛かっていたり、オラフのイラストが描かれたメモがさりげなく置かれていたり――ファンにはたまらない細部の作り込みにワクワクが止まりません。


ホテル宿泊でスタンバイパスは確保しやすい?
私の場合、どうしてもアトラクションのスタンバイパスを取りたかったので、アンバサダーホテルに宿泊しました。現在、東京ディズニーシーにおける「ハッピーエントリー(開園15分前に入園できる)」が使えるのは、アンバサダーホテル・ホテルミラコスタ・ファンタジースプリングスホテルの3つのみ。予約の難易度や料金を考慮した結果、比較的取りやすかったアンバサダーホテルを選んだというわけです。
ハッピーエントリーを使えば一般入園者より先に入園できるため、スタンバイパスが発行終了になる前に余裕をもって取得可能になります。結果として「アナとエルサのフローズンジャーニー」もしっかり体験できました。混雑状況によってはすぐにスタンバイパスが埋まってしまう場合があるため、確実に乗りたい方はホテル宿泊も検討の価値ありだと思います。
ラプンツェル&ピーターパンのアトラクションへの正直な感想
- ラプンツェル: もともと作品が好きだったので期待していましたが、ライド自体がかなり短くて「あれ、もう終わり!?」という感じでした。もちろん世界観は堪能できますが、リピートしたいほどのインパクトがあるかというと、やや物足りなさを覚えたのが正直なところです。
- ピーターパン: USJの「スパイダーマン」的な映像×立体演出の融合を想像していたのですが、そこまでの一体感はありませんでした。映像部分と実際のオブジェクトが思った以上に連携しておらず、「もう少し一体化されていたら、もっと没入感が増したのに」と感じました。それでもピーターやフック船長が好きな方には十分楽しめるはずです。
まとめ – 今だからこそ“アナ雪”が面白い
『アナと雪の女王』は、ディズニーが培ってきたプリンセス映画の伝統を尊重しながら、新しい価値観や意外性をもたせることで世界中の観客を虜にした名作だと思います。姉妹の物語をクローズアップし、ロマンス一辺倒ではない「真実の愛」を描いたことが、多くの人の心をつかんだ大きなポイントでしょう。
さらに、楽曲「Let It Go」をはじめとする名曲や美しいCG、巧みなカメラワークが合わさって、何度観ても飽きさせない完成度に仕上がっています。今回、久々に見直してみて「やっぱりすごい作品だなぁ」としみじみ感じました。
そして昨年新オープンした「ファンタジースプリングス」では、そのアナ雪の世界観を直接体感できます。スタンバイパスを取るにしろ、DPAを購入するにしろ、混雑している時期には計画的な行動が鍵。ホテルに泊まるのも一つの作戦だと思います。私自身、アナ雪アトラクションはスタンバイパスで並んで乗りましたが、お金を払ってでももう一度乗りたいと感じるほどの満足度でした。
もしまだ体験していない方がいれば、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。映画を観返してからパークを訪れると、楽曲やセリフ、細かい演出への理解が深まり、より心が躍ること間違いなしです。今回の記事が、アナ雪再鑑賞やパーク巡りを楽しむヒントになれば幸いです。もし感想などがありましたら、ぜひコメントで教えてくださいね。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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エルサ役でおなじみの松たか子さんが主演を務める最新作。ディズニーとはまた違った魅力を味わえる作品なので、気になる方はぜひご覧ください。