映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』基本データ
- 原題: Avengers: Infinity War
- 監督: アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ(ルッソ兄弟)
- 主要キャスト:
- ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク / アイアンマン)
- クリス・ヘムズワース(ソー)
- マーク・ラファロ(ブルース・バナー / ハルク)
- クリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ)
- スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ)
- ベネディクト・カンバーバッチ(ドクター・ストレンジ)
- トム・ホランド(ピーター・パーカー / スパイダーマン)
- チャドウィック・ボーズマン(ティ・チャラ / ブラックパンサー)
- ジョシュ・ブローリン(サノス)
- クリス・プラット(ピーター・クイル / スター・ロード)
- ゾーイ・サルダナ(ガモーラ)
- ほか多数
- 公開年: 2018年(米国)、2018年4月27日(日本)
- 上映時間: 150分
- 主な受賞・ノミネート歴:
- 第91回アカデミー賞 視覚効果賞 ノミネート
- 第72回英国アカデミー賞 特殊視覚効果賞 ノミネート
- その他、多数の批評家協会賞などで受賞・ノミネート
- 視聴方法(2025年6月現在):
- BD・DVD発売中、各種動画配信サービスで配信中
この記事でわかること
- 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の衝撃的なあらすじと見どころ(※ネタバレを多く含みます)
- 私がこの映画をMCUの中でも特に好きな理由と、鑑賞のきっかけ
- 最強の敵サノスはなぜこれほど魅力的なのか?その思想と行動原理の深掘り
- 息つく暇もない!豪華ヒーローたちの夢のクロスオーバーと巧みな物語構成
- 『アベンジャーズ/エンドゲーム』へ繋がる本作の重要性と、今こそ見返す価値
はじめに
こんにちは。当ブログ『ねことシネマ』へようこそ!数ある映画ブログの中から、この記事を見つけてくださって本当に嬉しいです。
今回は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の歴史においても、特に衝撃的で、そしてエポックメイキングな作品と言える**『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』**(以下、『インフィニティ・ウォー』)について、熱く語らせていただきたいと思います。
実は私、6月に行われるMCUのコンサートに参加予定でして、それに先駆けてMCU作品を色々と見返しているんです。『アイアンマン3』に続いて、この『インフィニティ・ウォー』を再鑑賞したのですが…やはり何度観ても、その完成度の高さと衝撃には圧倒されますね。特にこの作品から『アベンジャーズ/エンドゲーム』(以下、『エンドゲーム』)への流れは、コンサート前と言わずとも、全MCUファンにとって見返しておくべき「マスト」な作品群だと感じています。
少し個人的な話になりますが、この『インフィニティ・ウォー』は、私がMCU作品を本格的に追いかけ始める大きなきっかけとなった、思い出深い作品なんです。それ以前は、正直なところスーパーヒーロー映画に対して少し懐疑的で…特に「日本よ、これが映画だ」といった類のキャッチコピーには、どこか嫌悪感すら抱いていました(笑)。でも、『インフィニティ・ウォー』公開当時のものすごい話題性に触れて、「これはもう無視できない、何かとんでもないことが起きているのでは…?」と、ついに重い腰を上げたわけです。
当時はまだMCUが『エンドゲーム』で一区切りつく前だったので、「今ならまだ追いつける!」と思い立ち、1日に1作品くらいのペースで初期の『アイアンマン』や『インクレディブル・ハルク』から見始めた記憶があります。残念ながら『インフィニティ・ウォー』の劇場公開には間に合わなかったのですが、その後の『アントマン&ワスプ』からは劇場でMCU作品を鑑賞するようになり、エンドクレジット後の次回作への期待感を煽る演出を初めて体験した時は、「ああ、MCUファンの方々はこれまでこんな幸福感を味わってきたのか…!」と、興奮と少しの羨ましさを感じたものでした。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、この記事では、そんな『インフィニティ・ウォー』の魅力を、【ネタバレあり】でじっくりと語っていきたいと思います。ネタバレなしでは、この映画の奥深さや衝撃を伝えきれないと感じたからです。もちろん、ここでお話しするのはあくまで私個人の感想と、少しばかり調べてみた情報に基づいた解釈です。この映画は、観る人によって本当に様々な意見や感想が出てくる、非常に懐の深い作品だと思います。
もし、あなたが強烈な映画体験を求めている方、心に深く刻まれるような作品をお探しでしたら、ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。
あらすじ
※この記事の後半「作品の魅力」セクションでは、物語の核心にさらに深く触れていきますので、未見の方はご注意ください。
物語は、宇宙最強の敵サノスが、6つ全て集めれば宇宙の生命の半分を消し去ることができるという無限の力を秘めたインフィニティ・ストーンを求め、地球、そして宇宙全体に脅威をもたらすところから始まります。
アスガルドの民を乗せた宇宙船への襲撃を皮切りに、サノスとその配下たちは次々とストーンを手中に収めようと画策。これに対し、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ドクター・ストレンジ、スパイダーマンといったアベンジャーズの面々、そして宇宙で活躍するガーディアンズ・オブ・ギャラクシーたちは、それぞれの場所でサノスの恐るべき野望を阻止するために必死の抵抗を試みます。
ヒーローたちは時に協力し、時にすれ違いながらも、かつてない強大な敵に立ち向かっていきます。ニューヨーク、スコットランド、宇宙の辺境ノーウェア、サノスの故郷タイタン、そしてアフリカの超文明国家ワカンダと、戦いの舞台は目まぐるしく移り変わり、事態は刻一刻と深刻度を増していきます。
地球、そして宇宙の命運をかけた壮絶な戦いの末、ヒーローたちは前代未聞の危機に直面し、物語は誰もが予想しえなかった衝撃的な結末を迎えることになるのです…。

作品の魅力
さて、ここからは私が『インフィニティ・ウォー』を鑑賞して特に心を揺さぶられたポイントや、個人的な解釈、そして調べてみて「なるほど!」と思った点などを、より深く掘り下げていきたいと思います。今回で5回目くらいの視聴になるのですが、観るたびに新たな発見があるんですよね。
MCUの集大成!息つく暇もない豪華キャラクターの競演
まず何と言っても、この映画は画面が終始豪華です!『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』以降、MCUに登場するキャラクターは大幅に増えましたが、本作ではその多くが一堂に会し、まさにオールスターキャスト。このキャラクターたちのクロスオーバーがもたらす面白さや深みは、MCUならではの醍醐味ですよね。
映画冒頭、ニューヨークのシーンだけでも、ソー、ロキ(すぐに退場してしまいますが…)、ハルク、ドクター・ストレンジ、ウォン、トニー・スターク、そしてピーター・パーカーと、初期のアベンジャーズ作品に匹敵するほどの豪華メンバーが集結します。本作について少し調べてみると、この映画が「イベント・フィルムメイキングとシリーズ化された映画的物語のあり方を再定義するに至った」と評価されることがあるのも頷けます。まさに「お祭り」でありながら、各キャラクターに見せ場がしっかりと用意されているんです。

「次はどのキャラクターが登場するんだろう?」というワクワク感が途切れることなく、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーがソーと出会い、キャプテン・アメリカたちがヴィジョンを助けに現れ、そしてワカンダのヒーローたちが合流していく…。この怒涛の展開は、全盛期のマーベルの無敵感をひしひしと感じさせ、観ているだけでテンションが上がりっぱなしでした。
特に、これまで交わることのなかったキャラクター同士の出会いや掛け合いは最高です。例えば、トニー・スタークとドクター・ストレンジの皮肉の応酬や、ソーとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々(特にスター・ロード)とのコミカルなやり取りなど、クスッと笑えるシーンも多く、シリアスな物語の中の良いアクセントになっています。本作の魅力として、「キャラクター間の新たな組み合わせから生まれる『化学反応』と、MCU特有のユーモア」を挙げる人も少なくありません。
巧みな脚本と編集が生み出す、混乱なき多重進行ストーリー
本作は、地球での戦い(ニューヨーク、そしてワカンダ)、惑星タイタンへ向かうトニー・スターク一行、新たな武器を求めて宇宙を旅するソー・ロケット・グルート組、そしてヴィジョンを匿い守ろうとするキャプテン・アメリカ一行など、物語が複数のチームに分かれて並行して進行します。
これだけ多くのキャラクターが、異なる場所でそれぞれの物語を同時進行させているにも関わらず、観客が混乱することなくスムーズに物語に引き込まれるのは、ひとえに脚本と編集の巧みさに尽きると思います。時系列の扱い方や、異なる場所での出来事のリンクのさせ方が非常に上手く、編集のテンポも抜群です。
時に「4つの異なる映画をザッピングしているようだ」として、まとまりに欠けるという意見もあるようですが、私個人としては、この複数のサブプロットを巧みにまとめ上げ、各キャラクターに目的と見せ場を与えている脚本家クリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリー、そして監督のルッソ兄弟の手腕は「天才的だ」と改めて感じました。別行動を描くことで、約150分という長尺でありながら観客を飽きさせない工夫も見事です。
「宇宙の救済者」か「狂気の破壊者」か?最強最悪のヴィラン、サノス
そして、『インフィニティ・ウォー』を語る上で絶対に外せないのが、ヴィランであるサノスの存在です。
彼の「宇宙の生命の半分を消し去ることで、資源の枯渇による破滅から宇宙を救済する」という思想と行動は、常軌を逸しており、決して許されるものではありません。しかし、映画を観ていると、彼が彼なりの確固たる信念に基づいて行動していることが痛いほど伝わってきます。
本作を観ると、サノスは単なる破壊を楽しむサイコパスではなく、実質的な主人公として描かれていると感じる方も多いのではないでしょうか。彼の故郷タイタンが過剰人口によって滅亡したという過去や、彼の内面的な葛藤にも多くの時間が割かれています。例えば、インフィニティ・ストーンを手に入れるために、愛する養女ガモーラを犠牲にする際に涙を流すシーン。ここには、彼なりの痛みを伴う犠牲を払いながらも、自らの歪んだ「大義」を全うしようとする悲壮な覚悟が描かれており、キャラクターに深みを与えています。

サノスが「高潔な意図と冷酷な行動の融合体」であり、「魂と個性を持つ複雑な存在」として捉えられることがあるのも、こうした描写によるものでしょう。確かに、彼の行動は許せませんが、その信念の強さや、目的のためには全てを犠牲にするという覚悟には、ある種のカリスマ性すら感じてしまいます。
映画の冒頭からサノスが登場し、物語の終わりもサノスが目的を達成した場面で幕を閉じ、エンドロールの最後も「サノスは帰ってくる(Thanos will return)」と締められる。まさに「サノスによるサノスのための映画」と言える構成が、このヴィランの強烈な印象をさらに際立たせていると感じます。
胸をえぐる衝撃の結末と、その先にある希望(あるいは更なる絶望)
そして、何と言ってもこの映画の最大の特徴は、あの衝撃的な結末でしょう。ここからは、その核心に触れていきます。
サノスがインフィニティ・ガントレットを完成させ、指を鳴らした瞬間、次々とヒーローたちが塵となって消えていくシーンは、何度観ても胸が締め付けられます。バッキー、ブラックパンサー、グルート、ワンダ、ファルコン、マンティス、ドラックス、スター・ロード、ドクター・ストレンジ、そしてピーター・パーカー…多くの愛すべきキャラクターたちが、為す術もなく消滅してしまうのです。特に、ピーター・パーカーがトニー・スタークに抱きつきながら懇願し、やがて塵となっていく場面は、涙なしには見られません…。
従来のヒーロー映画であれば、どんな強大な敵が現れようとも、最後はヒーローが勝利するのがお約束でした。しかし、『インフィニティ・ウォー』はその慣習を打ち破り、ヒーローたちが完膚なきまでに敗北するという、前代未聞の結末を迎えます。この大胆な選択が、観客に強烈なインパクトと深い喪失感を与え、続く『エンドゲーム』への渇望感を極限まで高めました。
この結末が「ヒーローと観客に前例のない規模での失敗と向き合うことを強いることで、MCUを豊かにした」と評されることがあるのも、まさにその通りだと思います。この絶望的な敗北があったからこそ、『エンドゲーム』での逆転劇がより一層カタルシスに満ちたものになったのではないでしょうか。
個人的には、『エンドゲーム』は主にオリジナルメンバーの活躍が中心で、全キャラクターが揃うのは最後の決戦のみという点に、少し物足りなさを感じることもありました。もちろん『エンドゲーム』も大好きな作品ですが、『インフィニティ・ウォー』のように、それまで登場した多くのキャラクターが美しくクロスオーバーし、それぞれの活躍や、見たかったキャラクター同士の絡みを存分に見せてくれるという点では、もしかしたら『インフィニティ・ウォー』の方が好みかもしれない、と今回改めて感じました。キャラクター同士の掛け合いや、彼らがどのように合流していくのかというワクワク感は、本作ならではの魅力だと思います。
全編IMAX撮影!映像と音楽が織りなす圧倒的没入感
本作は、ハリウッド長編映画として初めて、全編がIMAXカメラで撮影されたことでも知られています。少し調べてみたところ、撮影監督のトレント・オパロックは、ルッソ兄弟と共に過去のMCU作品のスタイルを踏襲しつつも、「真に斬新な」映像を目指したそうです。
その言葉通り、惑星タイタンでの壮大な戦いや、ワカンダでの大スケールの戦闘シーンなど、IMAXならではの迫力ある映像は圧巻の一言。また、ドクター・ストレンジが駆使する魔法の表現や、宇宙空間のビジュアルなど、視覚効果(VFX)のクオリティも非常に高く、物語への没入感を高めてくれます。
そして、アラン・シルヴェストリが手掛けた音楽も素晴らしいです。彼の代表作でもある『アベンジャーズ』のテーマ曲はもちろんのこと、本作ではサノスの脅威やヒーローたちの悲壮感を煽る重厚なスコアが印象的です。特に、ヒーローたちが消えていくエンディングで流れる音楽は、その絶望感をより一層際立たせていました。一部では、既存のヒーロー個別のテーマが取り入れられなかった点を残念がる声もあるようですが、私としては、この映画全体の統一感と、サノスという存在に焦点を当てた音楽作りは成功していると感じました。
まとめ
改めて『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観返して、ルッソ兄弟(監督)、そして脚本家のクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーは本当に天才だなと、心の底から思いました。これだけの数のキャラクターと物語を破綻なくまとめ上げ、なおかつこれほどの興奮と衝撃を与えてくれる作品を作り上げた手腕には、ただただ脱帽です。
本作は、MCUの「インフィニティ・サーガ」における一つの頂点であり、続く『エンドゲーム』へと繋がる非常に重要な作品です。そして、単なる「ヒーロー映画」という枠を超えて、犠牲、喪失、そして信念といった普遍的なテーマを観客に問いかける、重厚な物語でもあります。
公開延期となってしまいましたが、来年公開予定のMCU新作『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』が、この『インフィニティ・ウォー』で感じたようなワクワク感や衝撃を与えてくれるのか、今からとても楽しみです。しかし同時に、『インフィニティ・ウォー』がクロスオーバー作品としての一つの到達点であるとも感じているため、果たしてこれを超えることができるのか…という少しの懸念も抱いています。
この『インフィニティ・ウォー』は、決して後味の良い作品ではありません。むしろ、観終わった後には大きな喪失感と、ある種の無力感に打ちのめされるかもしれません。しかし、それこそがこの映画の持つ力であり、MCUという壮大な物語が持つ深みなのだと思います。
私のようにMCUコンサートへ行く方はもちろん、そうでない方も、来たるべきアベンジャーズの新たな物語の前に、このMCU史に残る傑作をもう一度体験してみてはいかがでしょうか。きっと、新たな興奮と感動があなたを待っています。

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最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。この記事が、あなたが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』という作品と出会う、あるいは既にご覧になった方が作品をより深く味わうための一助となれば幸いです。
皆さんは『インフィニティ・ウォー』のどのシーンが一番衝撃的でしたか?あるいは、どのキャラクターの組み合わせが好きですか?ぜひコメントで教えてください!
それでは、また次回の『ねことシネマ』でお会いしましょう。
- IMDb『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』
キャストやスタッフの詳しい情報、ユーザーからの評価やレビューなどが充実しています。英語サイトですが、作品の撮影秘話やTrivia(トリビア)も多く、さらに深く知りたい方にはおすすめです。