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【9月21日の魔法】映画『ロボット・ドリームズ』と名曲「September」の歌詞の意味を徹底解説!英語学習にも役立つ表現も紹介

こんにちは!当ブログ『ねことシネマ』にお越しいただき、ありがとうございます。

さて、今回取り上げるのは、アメリカの伝説的バンド、アース・ウィンド・アンド・ファイアーが1978年に発表したディスコ・クラシック、「September」です。きっと誰もが一度は耳にしたことがある、心が弾むような名曲ですよね。

「なぜ今、この曲を?」と思われたかもしれません。当ブログは映画をテーマにしているので、ピンと来た方も多いのではないでしょうか。はい、お察しの通り、きっかけは2024年11月に公開されたパブロ・ベルヘル監督の映画『ロボット・ドリームズ』です。この映画の中で、「September」は言葉以上に多くのことを物語る、非常に象徴的な役割を担っていました。

公開から少し時間が経ちましたが、今この記事をお届けするのには、二つ理由があるんです。

一つは、この『ロボット・ドリームズ』のBlu-ray & DVDの発売が、今年の9月21日に決定したというビッグニュース!この日付、曲のファンならニヤリとしてしまいますよね。私も発売を心待ちにしていた一人なので、この粋な計らいには本当に胸が躍りました。

そしてもう一つは、個人的な思い出です。2025年も上半期が終わりに近づいていますが、私が今年初めて「映画館で」鑑賞したのが、この『ロボット・ドリームズ』だったのです。(ちなみに“映画初め”として元日に家で観たのは『オッペンハイマー』でした!)

なぜ昨年公開の作品を今年に?と思われるかもしれません。実はこれ、群馬県民の方なら「わかる!」と頷いてくださるかもしれないのですが、公開当時、県内での上映館がなかったのです…。年が明けた1月、ついにシネマテークたかさきさんで県内初上映が開始した時は、「待ってました!」とばかりに公開初日に駆け込みました。

劇場は満席でした。私が普段シネマテークさんで感じる客層とは少し違う、新しい発見があったのを覚えています。ミニシアター系の作品が多いため、比較的年齢層の高い映画ファンが集う印象でしたが、この日は本当に小さなお子さんからご年配の方まで、驚くほど幅広い世代の観客で溢れていたのです。

この映画がこれほど多くの人を惹きつける最大の魅力は、上映時間102分、セリフが一切ないことでしょう。主人公のドッグとロボットの息遣いや豊かな表情、そして音楽だけで物語が紡がれていきます。だから、子供はドッグとロボットの愛らしい友情物語として笑い、大人は人生の出会いや別れに想いを馳せて静かに涙する。アカデミー賞の受賞は逃したものの、宮崎駿監督作品がなければ…とまで言わしめた、まさに傑作です。

映画の話が長くなってしまいましたね。この作品の心臓部とも言えるのが、そう、「September」です。ドッグとロボットが共に過ごした幸せの象徴であり、離れ離れになっても二人を繋ぐ希望のメロディ。そしてクライマックス、これ以上ないタイミングで高らかに流れるこの曲が、全ての感情を祝福してくれます。

では、この素晴らしい楽曲は、具体的にどんなことを歌っているのでしょうか。私自身の感想や解釈もたっぷり交えながら、この「September」の英語の歌詞の魅力を、皆さんと一緒にライトに、でも深く探っていきたいと思います。日本語訳も素敵ですが、オリジナルの英語には、もっとおしゃれで、心が温かくなる表現がたくさん隠されているんですよ。ぜひ最後までお付き合いください!

(C)2023 Arcadia Motion Pictures S.L., Lokiz Films A.I.E., Noodles Production SARL, Les Films du Worso SARL

歌詞の世界へ:あの忘れられない夜の、きらめく記憶

この曲は、ある特定の物語を語るというより、誰の心にもある「忘れられない最高に幸せな瞬間」を祝福し、その喜びを追体験するような普遍的なテーマを持っています。歌詞はシンプルながら、とても巧みでポジティブなエネルギーに満ちています。

それでは、一緒に歌詞を紐解いていきましょう!

第1ヴァース:心躍る夜の始まり


Do you remember The 21st night of September? Love was changing the minds of pretenders While chasing the clouds away

冒頭から、最高にハッピーな夜への招待状のようです!

The 21st night of September? 「9月21日の夜のこと、覚えてる?」 まず、なんで a night じゃなくて the night なんだろう?って思いませんか?これは、話し手と聞き手の間で「言わなくてもわかるよね、あの忘れられない夜」という共通認識があるからなんです。ただの「9月のある夜」ではなく、「“あの”9月21日の夜」という特別なニュアンスが、この the 一言に込められているんですね。

Love was changing the minds of pretenders 「愛が、素直になれなかった人たちの心さえ変えていた」 was changing という過去進行形が使われているのが、すごく効いています!まるで映画のワンシーンのように、「愛がまさに心を変えつつある、その真っ最中」という躍動感や、その場の温かい空気が伝わってきます。

ここで出てくる pretenders という単語、面白いですよね。「ふりをする人」や「偽善者」という意味ですが、ここでは「恋愛に斜に構えていた人」や「本心を隠していた人」くらいのニュアンスでしょうか。そんな人たちでさえ、この夜のハッピーな空気の中では、愛に対して素直になってしまった。なんだか、すごくピースフルな光景が目に浮かびます。

While chasing the clouds away 「心の中の雲を追い払いながら」 chasing the clouds away、この表現、絵が浮かびますよね!直訳すると「雲を追い払う」ですが、比喩的に「心配事や疑念を取り除く」という意味の素敵なイディオムです。愛の力が、心にかかったモヤモヤした雲をさーっと吹き飛ばしてくれる…そんなイメージです。前のフレーズと合わせて、「愛が、人々の心にかかった雲を追い払いながら、素直じゃない人たちの心を変えていた」と、二つの出来事が同時に起こっていたことを示しています。


Our hearts were ringing In the key that our souls were singing As we danced in the night, remember How the stars stole the night away, oh yeah

Our hearts were ringing / In the key that our souls were singing 「僕らの心は鳴り響いていた/魂が歌うのと同じキーで」 ここでも過去進行形が使われ、幸福感がずっと続いていた様子が描かれています。そして「魂が歌うキーで心が鳴り響く」って、なんて詩的なんでしょう!心と魂が完全にシンクロして、最高のハーモニーを奏でている状態。理屈じゃなく、全身で喜びを感じているのが伝わってきます。

remember / How the stars stole the night away 「思い出してごらん/星々が、いかにして夜を独り占めにしたかを」 stole the night away は「夜を盗んだ」という物騒な意味ではありません(笑)。「夜の主役を奪うほどに、星が素晴らしく輝いていた」という意味の、とっても美しい表現です。あまりの星の輝きに、夜空そのものよりも星々の美しさに心を奪われてしまった…そんな魔法のような光景が目に浮かびます。

コーラス&第2ヴァース:言葉にならない喜びと、確信に変わる愛


Ba-dee-ya, say, do you remember? Ba-dee-ya, dancing in September Ba-dee-ya, never was a cloudy day

Ba-dee-ya この「バーディーヤー」、どういう意味だろう?って辞書を引こうとした方、いませんか?(笑)実はこれ、スキャットといって、特に意味のない音を楽器のように歌う手法なんです。言葉にできないほどの純粋な楽しさ、喜び、ウキウキする気持ちそのものを表現しているんですね。意味がないからこそ、世界中の誰とでもこの高揚感を共有できる。天才的な発明です!

say, do you remember? この say は「言う」ではなく、「ねえ」「ほら」と呼びかける間投詞。親しい相手に話しかけるような、フレンドリーな響きを加えています。

never was a cloudy day 「曇りの日なんて、一日もなかった」 文法に詳しい方は「あれ、語順が変?」と思われたかもしれません。普通なら A cloudy day was never there ですよね。これは倒置というテクニックで、Never のような否定的な言葉を文頭に置くことで、後ろの文章をものすごく強調する効果があるんです。「曇りの日なんて、断じて、金輪際、一日たりともなかった!」という、非常に強い気持ちが込められています。


My thoughts are with you Holding hands with your heart to see you Only blue talk and love, remember How we knew love was here to stay

Holding hands with your heart to see you 「君に会うために、君の心と手をつなぎながら」 このフレーズ、直訳しようとすると「え?心と手をつなぐ?」ってなりますよね。でも、こういう詩的な表現こそ、英語の歌詞の醍醐味なんです。物理的に会うだけでなく、「いつも君の心に寄り添っているよ」という、非常に深く、親密な精神的なつながりを描いた、独創的な歌詞だと感じます。

Only blue talk and love 「交わすのは、心からの会話と愛だけ」 blue talk というのは一般的な表現ではありません。おそらくこの歌詞のために作られた言葉です。blue は普通「憂鬱」なイメージですが、ここでは「愛」と並んでいるので、上辺だけじゃない、少し感傷的で、でも正直で、心の奥深くを語り合うような会話…といった特別なニュアンスが込められているのではないでしょうか。素敵ですよね。

How we knew love was here to stay 「僕らの愛が、本物だってわかった時のことを」 来ました!重要イディオム be here to stay。これは「定着する」「一過性のものではない」という意味で、すごく便利でカッコいい表現です。「リモートワークは定着しそうだね(Remote work is here to stay.)」みたいに日常でも使えます。この愛が、一瞬で消える火花じゃなくて、ずっと続いていく本物なんだと確信した瞬間を歌っているんですね。


Now December, found the love we shared in September

「そして12月になった今、僕らは9月に分かち合った愛を見つけたんだ」 物語は9月から12月へと時を進めます。季節は変わっても、あの夜の輝く愛は色褪せることなく、むしろ「真実の愛(the true love)」として、今も二人の間に確かに存在している。時を超えて続く愛を歌い上げて、曲は締めくくられます。

ちなみに、なぜ「9月21日」なのでしょう?私、これずっと「何か特別な歴史的意味があるんだろうな」って調べてみたんですよ。そしたら驚きの事実が!作詞家によると、「特に意味はない」そうなんです(笑)。ただ、September という単語の響きと、歌った時の心地よさが 21st だったから、という音楽的な理由だったとか。深い意味を探してしまう我々ですが、この「フィーリング重視」な感じも、この曲が持つ楽しさの秘訣なのかもしれませんね!

英語学習の視点から:この曲で身につく「使える」表現!

この「September」は、ただ聴いて楽しいだけでなく、英語学習の宝庫でもあるんです!

  • 時制の使い分けを体感!:過去の情景を描く過去進行形(was changing)と、具体的な出来事を伝える過去形(danced)の使い分けが自然に学べます。「背景」と「アクション」の違いを感じてみてください。
  • 倒置法は「強調」のサインNever was a cloudy day のように否定の言葉が文頭に来ていたら、「何かを強く言いたいんだな!」と受け取るクセをつけると、文章のニュアンスがより深く読めるようになります。
  • 詩的な比喩表現の楽しさstole the night awaychasing the clouds away など、直訳できない表現こそ、英語の豊かさ。イメージで捉える練習にぴったりです。
  • 覚えておきたい便利イディオム「be here to stay」:これは本当に使える表現です!「この流行は定着するね」など、色々な場面で応用できます。私も次の英会話でサラッと使ってみたいです!

まとめ:映画と音楽が教えてくれた、変わらない想い

いや〜、『ロボット・ドリームズ』のあの感動的なシーンと、「September」の歌詞の世界が、見事にリンクしていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

言葉のない映画の中で、ドッグとロボットが育んだ友情、そして予期せぬ別れと、それでも相手を想い続ける心。その全てが、「September」の歌う「時を経ても変わらない、輝くような愛と喜びの記憶」と重なります。

完璧じゃなくても、こうして大好きな映画や音楽を手がかりに一歩ずつ歌詞を読み解いていくことで、着実に英語の世界は広がっていくんですよね。そして何より、最高に楽しい!この記事を書きながら、私自身も改めてこの曲が持つパワーと、言葉の美しさに心を揺さぶられました。

皆さんは『ロボット・ドリームズ』を観て、どんなことを感じましたか?また、「September」にまつわる特別な思い出はありますか? もしよろしければ、ぜひコメントであなたの「好き」や発見を教えてくださいね。

そして、来る9月21日には、ぜひ『ロボット・ドリームズ』を観ながら、あるいはこの「September」を大音量でかけながら、あなただけのかけがえのない「輝く記憶」に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました! また次回の記事でお会いしましょう。今後とも『ねことシネマ』をどうぞよろしくお願いいたします。

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HAL8000

映画と猫をこよなく愛するブロガー。 多いときは年間300本以上の映画を観ていて、ジャンル問わず洋画・邦画・アニメ・ドキュメンタリーまで幅広く楽しんでいます。

専門的な批評はできませんが、ゆるっとした感想を気ままに書くスタンス。 ブリティッシュショートヘア×ミヌエットの愛猫ハルも自慢したいポイントで、レビューの合間に猫写真や日常もたまに紹介しています。

当ブログ「ねことシネマ」で、映画好き&猫好きの皆さんに楽しんでいただけると嬉しいです。
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