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IMAXで観て再発見!スピルバーグの『E.T.』が私の人生ベストに入るかもしれない話

2025年2月4日

映画『E.T.』基本データ

  • タイトル:『E.T.』
    (原題:E.T. the Extra-Terrestrial
  • 公開年:1982年
  • 監督:スティーヴン・スピルバーグ
  • 主演
    • ヘンリー・トーマス(エリオット役)
    • ディー・ウォレス(エリオットの母 メアリー役)
    • ドリュー・バリモア(妹のガーティ役)
    • ロバート・マクノートン(兄のマイケル役)
  • 上映時間:115分
  • 主な受賞・映画祭出品
    • 第55回アカデミー賞で4部門(作曲賞・音響賞・音響編集賞・視覚効果賞)受賞
    • ほか、作品賞・監督賞を含む9部門ノミネート
    • ゴールデングローブ賞 作品賞(ドラマ部門)など受賞
  • 視聴方法
    • DVD/Blu-ray、各種配信などでも視聴可能

この記事でわかること

  • IMAXリバイバル鑑賞による“再発見”の衝撃
  • 子どもの視点を貫くスピルバーグのカメラワーク
  • 大人になってから観るからこそ深まる感動
  • 具体的シーンの巧みな演出と“泣きポイント”
  • スピルバーグの“映画体験”を最大化する力

はじめに

先日、IMAXで『E.T.』が上映されるという情報をキャッチし、これは行くしかない! と即決で劇場へ足を運んできました。最近は『ジョーズ』や『ジュラシック・パーク』、デヴィッド・フィンチャーの『セブン』などもIMAX上映されていて、実際『セブン』は観に行けたのですが、他はスケジュールが合わず断念。そんな中でどうしても外せなかったのが『E.T.』だったんです。

シアター入り口の『E.T.』ポスター。お馴染みの指タッチが印象的!

正直、1982年の映画をIMAXで観るってどうなの? という不安は少しありました。特に画角が合わず“額縁上映”になるのでは? と思っていたのですが、ほぼスクリーンいっぱいに映像が埋まり、画質も最高! Rotten Tomatoesの情報によれば「Flat (1.85:1)」とのことで、IMAXシアターにも割と合いやすいみたいですね(もっとも、池袋のグランドシネマサンシャインとかだと、さすがに上下に余白が出そうですが……そこはまあ、ご愛敬ということで 苦笑)。

あらすじ

ある夜、アメリカの森に着陸した宇宙船が、思わぬアクシデントで一体の異星人だけを置き去りにしてしまいます。偶然その姿を見つけた10歳の少年エリオットは、好奇心も手伝ってこっそり自宅に迎え入れることに。家族にも協力を仰ぎつつ、その不思議な訪問者を“E.T.”と呼びながら心を通わせていきます。しかし、大人たちはそんな彼らを見過ごすはずもなく、次第にE.T.の存在に気づき始めるのです。少年たちの純粋な友情と、未知の存在との別れがもたらす切なさが交錯する、温かくも少しほろ苦い物語になっています。

IMAXで観る『E.T.』—まさか人生トップ10候補になるとは

まず結論を言うと、「今までトップ10に入れようと考えたこともなかったこの映画が、今回の体験でベスト入りしそう!」と感じるほど大感動でした。子どもの頃から何度か観てきた作品ではありますが、IMAXで改めて鑑賞すると、ディティールや音響、画面の迫力が相乗効果を生んで「この映画ってこんなに凄かったんだ!」と衝撃を受けるんですよ。

  • 光と影の美しさ: 『E.T.』はそもそも照明が巧みな作品。IMAXの大画面で観ると、暗がりに映えるE.T.の姿や、月夜に飛ぶシルエットなんかがすごく映えるんですよね。もし可能ならドルビーシネマでも観たい……。
  • 音楽の鳥肌効果: ジョン・ウィリアムズのスコアをIMAXサウンドで聴くのは、ちょっと反則級にエモい。フライングテーマが流れ始めると涙が出てきました。
  • ディティールがはっきり: E.T.のテクスチャとか、部屋の小物とか、いろんな演出が「こんな風になってたんだ!」と再発見。昔は意識していなかった部分にグッときたりします。

個人的に、今の年齢&映画経験値で観る『E.T.』だからこそ、より一層すごさがわかったのかもしれません。小学生のときに学校で観たときは単なるファンタジーとしての記憶しかなく、中学でも英語の教科書に載ってて「だよねー」と思う程度。大学生になって久しぶりに観て泣いたけど、今回のIMAX体験はもう、それを超える衝撃でした。

カメラワークと子どもの視点:なぜ泣けるかを再発見

私が今回の鑑賞で「こんなに細かいところまでこだわってたのか!」と泣きそうになったのが、スピルバーグのカメラアングルと演出です。多くのシーンでカメラが子どもの目線の高さに固定され、大人の顔をあえて映さない。特に序盤の政府の捜索員とか、腰から下しか見せないことで、“子どもから見た大人の威圧感”を観客に自然と伝えているんですよね。

IMAX画面だと、その「顔が映らない」違和感が余計に際立ち、「なんかこの大人たち怖い……」と子どもの気分で感じてしまう。そこがE.T.とエリオットが紡ぐ友情の世界をより尊く見せるわけです。カメラワークと視点の理論を意識しながら観ると、「スピルバーグ、芸が細かすぎ!」と感動してしまいます。

具体的シーン:酔っぱらいシンクロ&カエル&キスで泣く

私が予想外のところで泣いたのが、カエルの解剖シーンでエリオットが酔っぱらう場面。家で留守番しているE.T.がビールを飲み、その影響がエリオットにシンクロして……というコミカルな流れなんですが、ここの演出の集約度がすごいんですよ!

具体的には、エリオットがカエル嫌いの女の子にキスをする→先生に連行される→女の子が足を少しひねる仕草→足下にはカエルが集まる……って一連のショットで、「あれ? 女の子、もうカエルなんて眼中にないじゃん」「エリオットに対して何か感情が芽生えたのかな?」という成長や変化を、ほんの数秒の画で描いちゃう。観てると「こんな細部まで意識して撮ってるなんて!」と感激してしまい、涙出ました(笑)。こういう小さな“積み重ね”がスピルバーグの真骨頂だな、と再認識。

別れのシーンはもちろん号泣

言わずもがな、E.T.とエリオットの別れは心が千切れそうになる名シーン。ママの表情がちょっとだけ入るのもズルいですよね。「息子が宇宙人と別れるのを黙って見守る母は何を思うのか……」と想像が広がって、また涙が出る。子どもの頃は単にE.T.とエリオットの友情に泣いていたけど、今見ると「母親の愛情」というもう一つの視点も加わって、余計胸が締め付けられました。

ここでウィリアムズの音楽が重なるんだから、泣くなと言う方が無理です。実際、「フライングテーマ」やラストの盛り上がりをIMAXサウンドで聴いた瞬間、鳥肌立ちまくりでした。

お別れシーンはわかっているのに号泣です...。

作品との年齢相性や映画経験値

今回改めて思ったのは、映画って年代や経験によって受け取り方が本当に変わるということ。子どもの頃はファンタジーとして楽しんでいた『E.T.』を、大人になって観ると「視点の演出がすごい」「光と影が素晴らしい」と理屈で感動できるし、感情もさらに深いところで刺さる。

私が他にも同じように後から再評価した作品が『ゴッドファーザー』なんです。最初観たときは「長いし、登場人物多いし、よくわからん……」って思っていたけど、いろんな映画を観るうちに戻ってきたら「あれ、すごいかも!」と目からウロコ。逆に『ショーシャンクの空に』みたいに、若い頃に観てもどストレートに刺さる名作もある。そんな風に、映画経験値や人生経験が作品の見え方を変えてくれるのが映画の面白いところですよね。

スピルバーグ映画をIMAXで観る喜び

直近は『ジョーズ』や『ジュラシック・パーク』(執筆時上映中だがおそらく行けない...)のIMAX上映もあったんですが、スケジュールが合わず断念……。デヴィッド・フィンチャーの『セブン』は観に行きましたが、やはり大スクリーンで名作を再見するのは格別。『E.T.』は1週間限定だったようで、もっと長期間やってくれたらいいのにと思います。スピルバーグって画角や光、音楽まで含めて「映画を劇場で観る体験」を最大化する監督なんだなと、改めて確信しました。

まとめ:大人になって観る『E.T.』はもっと泣ける

「E.T.って人生のどこかしらで通る作品」だと思います。私も小学校の何かの授業で観たり、中学の英語の教科書に載っていたり、大学生のときに再見して泣いたり……。その度に違う観方ができる名作ですが、今回はIMAXという贅沢な環境で、細部の素晴らしさに気づけた一番の体験になりました。映像の美しさや音響の迫力が加わることで、感情が何倍にも膨れ上がってくるんですよね。

何より、子どもの頃は「かわいい宇宙人との友情物語」として泣き、大人になると「監督の演出が巧みすぎる……!」で泣けるのがスピルバーグの真骨頂。もう一度この映画を大画面で観られて、本当に良かった! もしまたスクリーンで上映する機会があれば、心の底からおすすめします。

おわりに

E.T.が宇宙船に乗って旅立つ最後のシーンで感じる切なさは、何度観ても慣れません。エリオットだけでなく、母親の視線がさりげなく挿入されることで家族ドラマの深みまで添えられていて、スピルバーグの視点操作の妙を思い知らされます。今回IMAXで観たことで、ますます「やっぱりこの作品、最高だ……」と確信しました。

映画って、観る年齢や経験で捉え方がガラッと変わるもの。『E.T.』のような名作こそ、節目ごとに再見すると新しい発見や感動があるかもしれません。私自身、今後もきっと何度も泣くんだろうなと思います。というわけで、本作が私の人生トップ10に入る予感、これからも大事にしたい一本です。

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HAL8000

映画と猫をこよなく愛するブロガー。 多いときは年間300本以上の映画を観ていて、ジャンル問わず洋画・邦画・アニメ・ドキュメンタリーまで幅広く楽しんでいます。 専門的な批評はできませんが、ゆるっとした感想を気ままに書くスタンス。 ブリティッシュショートヘア×ミヌエットの愛猫ハルも自慢したいポイントで、レビューの合間に猫写真や日常もたまに紹介しています。 当ブログ「ねことシネマ」で、映画好き&猫好きの皆さんに楽しんでいただけると嬉しいです。ぜひお気軽にコメントやリクエストをどうぞ!

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