映画『ネムルバカ』基本データ
- タイトル:『ネムルバカ』
- 公開年:2025年
- 監督:阪元裕吾
- 主演:
- 久保史緒里(入巣柚実役)
- 平祐奈(鯨井ルカ) など
- 上映時間:106分
- 視聴方法:
- 全国劇場で公開中
この記事でわかること
- 『ネムルバカ』のあらすじと基本の雰囲気
- “だらだら大学生ライフ”から一転する後半のギャップ
- 監督の過去作『ベイビーわるきゅーれ』との比較
- 誰の心にも刺さりそうなテーマ・メッセージ
- クライマックスの見どころ(※ネタバレは最低限に配慮)
はじめに
こんにちは。当ブログ『ねことシネマ』にお越しいただきありがとうございます。今回は、阪元裕吾監督の新作邦画『ネムルバカ』をご紹介します。原作は石黒正数さんの同名コミックで、大学の女子寮に暮らす女子大生2人の“ゆるい日常”と、そこに訪れる大きな転機を描いた青春映画です。
実はこの日、映画を3本ハシゴしたのですが、そのうちの2本目として観たのがこの『ネムルバカ』でした。実を言うと、「漫画の実写化ってどうなんだろう……」と最初はそこまで期待していなかったんです。ところが観終わったら、「これはイケる!」と思うほどの完成度で、いい意味で裏切られました。日常のだらだらした空気感と、後半で一気に高まる“熱”の落差が印象的で、映画館を出る頃にはすっかりこの作品のファンになっていました。
今回は、映画館でのリアルな感想や監督の過去作との比較を交えながら、私なりの視点で『ネムルバカ』の魅力を熱く語ってみます。最後まで読んでもらえると嬉しいです!
あらすじ
舞台は女子大生2人が住む大学の寮。インディーズバンドのボーカルを務める先輩・ルカ(平祐奈さん)は成功を夢見ていて、後輩・柚実(久保史緒里さん)はこれといった目標がないままアルバイトに勤しむ日々を送っています。。昼まで寝て、夜は居酒屋でチンチロハイボールを飲んだり、暇なときは古い海外ドラマを観たり…そんな“だらだら感”がたっぷりの日常が続きます。
ところがある日、ルカに大手レコード会社からスカウトの連絡が入り、2人の穏やかな生活に大きな変化が訪れます。軽い気持ちで観ていたはずが、後半に向かうにつれてどんどん熱を帯びていく展開は見応え十分です。

だらだら×青春のギャップが魅力
もともと漫画原作の実写化には少し不安がありましたが、本作は「実写映画ならではのライブ感」がしっかり活かされていると感じました。特に後半のライブシーンは映像と音響の迫力が見どころ。固定カメラが多かった日常パートとは打って変わって、手持ち風のカメラワークや躍動感ある音楽が一気に押し寄せます。そのギャップが強烈で、観客としては「あのだらけきった2人がこんなに熱くなるなんて!」という驚きがあるんですね。
『ベイビーわるきゅーれ』もそうでしたが、阪元裕吾監督はこの“普段からの豹変”を描くのがとても上手。アクションではなく青春ものの方向性でも、その持ち味が活きていると思います。
誰にでも刺さる「何をすればいいかわからない」問題
作中には、ボーイフレンドが「世の中の8割くらいは『やりたい気持ちはあるけど、何をすればいいかわからない』まま生きているんじゃないか」という趣旨の話をする印象的な場面があります。まさに主人公の柚実も「特に夢はないけど、何かしたい気はする…でも行動できない」という状態で、観ていると「自分もそうかも」とドキッとさせられました。
観終わった後に、「本当は頑張りたいけれど、何から始めればいいんだろう……」と考え込む人も多いはず。もしくは、明確な夢を持つルカみたいな人が周りにいると、行動できない自分がさらに目立ってしまうんですよね。ですが、本作はそんなモヤモヤを否定するわけでもなく、むしろ「それでいいんじゃない?」と肩の力を抜かせてくれるように感じました。
ネタバレなし・クライマックスの注目ポイント
後半の重要シーンはネタバレを避けますが、タイトルの出し方がとにかくカッコいいので、そこに注目してほしいですね。ライブシーンの盛り上げ方も「これこそ映像作品ならでは」という迫力です。原作者が書き下ろした歌詞と実際の演奏シーンがリンクしていて、“実写だからこそ”の説得力がありました。

原作と映像化の相乗効果
私はもともと原作コミックを読んでいなかったのですが、「映画でどう表現されるんだろう?」という興味だけで観に行きました。結果としては、原作ファンでもそうでない方でも楽しめる仕上がりだと感じています。実写版ならではの“だらだら生活”のリアリティと、後半で訪れる大きな変化が絶妙にリンクしていて、「何かを手にした瞬間、人はどこまで変われるんだろう?」という問いが自然に浮かび上がるんです。原作を読んでいる方は「このシーンって漫画だとこんな感じだったな」と比べてワクワクできますし、私のように前知識ゼロでも全く問題ありません。青春特有のゆるい空気感の中で、ふと“未来への一歩”を考えさせられる作品だと思いました。
まとめ
大学時代のだらだらとした日々も、周りに夢を追う人がいる光景も、観ているうちに「自分も”ネムルバカ”だなぁ」と考えさせられました。だからこそ、誰が観てもきっとどこかに突き刺さる映画だと思います。しかも、前作『ベイビーわるきゅーれ』ではアクションの才能を存分に見せつけた阪元裕吾監督が、今回の『ネムルバカ』では青春ものをこれほど魅力的に仕上げていて本当に驚きました。興味を持たれた方は、ぜひ劇場で直接体感してみてください。
当ブログ『ねことシネマ』では、今後も気になる映画と、わが家の猫・ハルの小さな日常を合わせてゆるくご紹介していきます。皆さんの『ネムルバカ』への感想や「私もこういうタイプだな…」と感じたエピソードがあれば、ぜひコメントで教えてください。それでは、また次回の記事でお会いしましょう。