映画『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』基本データ
- タイトル:『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』
(原題:Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl) - 公開年:2024年(海外)、2025年(日本配信)
- 監督:ニック・パーク(ほか)
- 主演(主要キャラクター):
- ウォレス(声:ベン・ホワイトヘッド)
- グルミット(無口な犬)
- フェザーズ・マグロー(謎のペンギン)
- 上映時間:82分
- 主な受賞・映画祭出品:
- 第97回アカデミー賞 長編アニメーション賞ノミネート
- 視聴方法:
- Netflixで配信中(日本国内では劇場公開なし)
この記事でわかること
- ストップモーションアニメの魅力と技術力
- 初見でも楽しめる王道ストーリー構成
- 無口な“グルミット”の圧倒的表情力
- 復活したペンギン“フェザーズ・マグロー”のシュールさ
- “便利すぎるテクノロジー”が引き起こすドタバタとメッセージ
はじめに
最近、アカデミー賞にノミネートされた作品が次々と公開されたり配信されたりして、映画好きとしては嬉しい悲鳴をあげています。そんな中で気になったのが『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』。
ストップモーションアニメ界の王道シリーズとして有名ですが、実は私は今作が初めてのウォレス&グルミット体験。公開13年ぶりの新作ということで話題になっており、しかもアカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされたというニュースを見かけて、「これを機に観てみよう」と思い立ちました。
Netflix配信(日本では劇場公開なし?)
配信なら手軽に観られるのが嬉しい反面、「これほど手間暇かけたストップモーション作品を劇場で観たかったかも…」という思いも。ともあれ、私のような初見の人間でも楽しめる内容なのか、さっそく視聴してみた感想をまとめます。
あらすじ
新たな大発明に夢中のウォレスと、その様子を少し心配そうに見守るグルミット。今回の物語では、ウォレスが開発した“自分で考える”テクノロジーが思いもよらないトラブルを引き起こしてしまいます。さらに、ウォレスの過去に因縁を持つ謎の存在が暗躍していることが明らかになり、グルミットは相棒の危機を救うべく大奮闘。もし失敗すれば、ウォレスは発明家としての道を絶たれてしまうかもしれません。果たしてこの凸凹コンビは、再び平穏な日常を取り戻せるのでしょうか。ドタバタの冒険にハラハラしつつ、ふとした瞬間にクスリと笑える要素も盛りだくさんの作品です。
ストップモーションとは思えない映像美
実際に観てまず驚いたのは、「ストップモーションってこんなに滑らか&細密なんだ!」という点でした。背景やミニチュアセットは手作り感満載で、キャラクターも粘土然としたあたたかい見た目なのに、動きが想像以上にスムーズ。その中にアナログの味わいをしっかり残しているのが印象的でした。
- 細やかなディテール: ウォレスたちの衣装や小道具など、細部まで凝っており、画面の片隅にユーモラスな仕掛けがあるのが楽しいです。
- ほんのり最新技術も混在?: 水や炎など、実際には撮影が難しいものを部分的にVFXでカバーしているらしく、不自然さなく融合されている感じ。粘土とCGのバランスが絶妙でした。

初めてでも楽しめるストーリー構成
13年ぶりの新作と聞くと、「シリーズを全部観ていないと分からないのでは?」と心配になるかもしれませんが、私の場合は本作が初見でも十分楽しめました。
物語自体は、ウォレス(発明好きのおじさん)と飼い犬のグルミットが、ちょっとした騒動からやや大きな事件へ巻き込まれていく――という王道スタイル。過去作で登場した因縁のペンギン“フェザーズ”との対決要素があるとはいえ、基本的には今回だけでも話の筋は分かりやすいように作られています。
- AIへの依存: ウォレスが便利なロボットを発明してしまい、それが思わぬ方向へ悪用されるプロット。
- ちょっとした犯罪・陰謀が大袈裟に発展していく流れ:子どもから大人まで笑えるコメディ仕立て。
- スリル&コメディ: 怪しいペンギン(フェザーズ)が企む計画やウォレスの身に降りかかる出来事が、サスペンスとユーモアをいい塩梅でミックスさせています。
個人的に印象に残ったシーン・キャラ
グルミットの表情が最高
言葉を発しないグルミットが、目と耳(?)の動きだけで感情を表す様子は本当に秀逸。初見で「犬がここまで表情豊かに描けるのか…!」と驚かされました。ウォレスが発明に熱中している間、「おいおい大丈夫か?」って顔してるグルミットの仕草が可愛いんですよね。
ペンギン・フェザーズのシュールさ
わたし自身はシリーズ初見なので、「このペンギン、過去作でも出てたのか…」と後から知ったんですが、作中でも「何やらヤバいペンギンらしい」という雰囲気は十分伝わりました。無表情で目がキラリと光るだけなのに周囲に恐れられているのがシュールで、ちょっと笑ってしまう場面が多い。
ハイテク依存が招く騒動
ウォレスが色々な装置をフル活用して生活をラクにしようとするものの、テクノロジーの落とし穴にはまり、グルミットとの仲がギクシャクする展開は「やっぱり便利すぎるものには注意が必要だな…」と感じさせられました。誰かが言っていた「テクノロジーは楽しいけど頼りすぎると危険」ってメッセージも感じましたね。
まとめ:初心者にもおすすめ&笑い満載のストップモーション
『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』は、シリーズ未経験の私でも十分に楽しめる内容でした。古参ファンが懐かしさを感じる仕掛けも多いでしょうし、初見にはストップモーションの魅力と英国流ユーモアを存分に体験できる絶好の一本。
AIやハイテクを巡る騒動が描かれる点で、ちょっと現代的な問題意識も匂わせながら、根底にはやっぱり人と人(あるいは犬?)との絆の大切さが据えられていて、観終わるとほんわか温かい気分に浸れました。
尺も90分以下とサクッと観られますし、興味があればぜひ一度触れてみてください。私もこれを機に、過去のウォレス&グルミット作品を遡りたくなりました!
参考・関連リンク一覧
- Flixist: Review — Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl
- 3 Brothers Film: Review — Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl (2024)
- VFX Voice Magazine — Celebrating the Inventiveness of Wallace & Gromit: Vengeance Most FowlScreen
- Daily — ‘Cape Fear’ with penguins: making ‘Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl’